2016-05-06 15:07:00

教皇、カール大帝賞を受賞「統合と、対話、創造のヨーロッパに期待」授賞式で


教皇フランシスコは、ヨーロッパ統合の理念に貢献した人に与えられる賞、アーヘン国際カール大帝賞を受け取られた。

5月6日、バチカン宮殿で行われた授賞式には、この賞を制定しているドイツ・アーヘン市のマルセル・フィリップ市長をはじめ、ヨーロッパ各国の政府要人らが多数参加した。

教皇は式典の前に、欧州議会のマルティン・シュルツ議長、欧州理事会のドナルド・トゥスク議長、欧州委員会のジャン・クロード・ユンケル委員長、そしてドイツのアンゲラ・メルケル首相と、それぞれ個人会談を持たれた。

受賞の挨拶で教皇は、新しい人類に光を与えることのできるヨーロッパ像を提示。特に欧州に期待される3つの力、「統合力」「対話力」「創造力」について話された。

「統合する力」について教皇は、ヨーロッパの根源は常に異なる文化を取り入れ統合しながら発展してきたその歴史にあるとし、ヨーロッパのアイデンティティーは過去もこれからもダイナミックな多文化性であると話された。

教皇は、欧州が文明と民族の出会いによって生まれたその魂を再発見しながら、新しい統合体と対話のモデルとなることを願われた。

こうして教皇は、外国人や移民、他の文化に属する人々に耳を傾け、認め、評価する「文化対話の力」を強調。         

永続する平和は、子どもたちが「対話」という武器を身につけ、「出会いと交渉」というよい戦いができることにかかっていると述べ、そうすることで子どもたちに死ではなく命、排除ではなく統合の文化を遺産として残すことができるだろうと語られた。

「創造性」について教皇は、若者たちはわたしたちの未来ではなく、まさに現在を生きている存在と説き、若い人々に仕事の場を創出することは急務と述べられた。

そのために、教皇は受容的で平等な新しい経済モデル追求の必要を指摘。目先の利益を追う流動的な経済から、未来を見据えた発展性のある社会的な経済へと移行しなければならないと話された。

教皇は母なるヨーロッパにルーツを持つご自身として、「新しいヨーロッパのヒューマニズム」を夢見ていると表明。

命を尊重し命の希望を与える欧州、受け入れを求める兄弟に手を差し伸べる欧州、病者や、高齢者、移民、家族など、すべての人の尊厳が尊重される欧州、環境を守り文化を愛する欧州を夢見ていると述べられた。

そして、教皇は「人権への取り組みがヨーロッパの最後のユートピアであったと決して言われることがないように」と大きな期待を示された。








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