2016-02-17 11:43:00

メキシコ:モレリアで教皇と若者たちの出会い


教皇フランシスコは、2月16日、メキシコ中西部の都市モレリアを訪問、若者たちとの出会いを持たれた。

メキシコ滞在5日目、教皇は午前中、モレリアのカランサ競技場で、同国の司祭・修道者・神学生らとミサを捧げられた。

午後、同市の司教座聖堂を訪れた教皇は、続いてモレーロス・スタジアムで若者たちと交流された。

会場にはメキシコ全土の教区から約10万人の青少年たちが集い、歌や民族舞踊などを通して、同国の様々な民族・文化・伝統、豊かな自然を表現した。

教皇との対話では、4人の男女がメキシコの若者たちを代表し、同国の青少年が生きる現実や、未来に求めるものを語った。

ここでは特に、物質主義、メディアの影響を受けた文化、愛情や信頼の欠如、利己主義などが広がる社会で、いかに自分を確立し、家庭を築くことができるかが問われた。

また、就労のための教育と機会の不足によって、若者たちが失望に陥り、安易な生活への堕落や、不法行為、麻薬売買、暴力の犠牲となる中で、どのように平和に貢献し、自分の中に閉じこもらない「外に向かう」人間となれるか、そのための助言が求められた。

教皇は若者たちの言葉にメモを取りながら、誠実に話しかけられた。

「皆さんはメキシコの財産、教会の財産です」と教皇は強調。

「山には人間に役立つ豊かな鉱脈が眠っているかもしれません。しかし、その豊かさを希望に変えるには、鉱山で働く人たちのように、それを掘り起こさなくてはいけません。皆さんは、あなたがたの持つ豊かさを、努力をもって希望に変えなければいけません」と励まされた。

しかし、自分に対する信頼がなければ、希望もないだろうと教皇は指摘。自分を過小評価したり、無用だと思ったり、自らを疎外したりしていては、希望は得られないと話された。

教皇は「希望を実らせる豊かさとは、あなたがた自身のことです」と述べ、流行の服で着飾り、お金を持つことで自分の価値が高まるわけではないと注意を促された。

確かに、仕事の機会がなく、様々な権利が否定される時、自分自身を国の豊かさだと考えることは難しいと教皇は述べつつも、しかし、それでも皆さんは豊かさだと言えるのは、わたしがあなたがたと同じようにイエス・キリストを信じているからですと話された。

教皇は、イエスは豊かさを希望に変え、夢見る心を再び呼び覚まし、彼らを無用扱いし、搾取しようとするあらゆる試みから守ってくれると説かれた。

「蛇のように賢く、鳩のように素直に」(マタイ10,16)という言葉と共に、教皇は「希望、豊かさ、尊厳」という3つのキーワードを若者たちに与えられた。

そして、「聖域を構築する者」として、社会や、小教区、家庭を聖化していくよう、若者たちに使命を託された。


 








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