2015-11-11 17:23:00

家庭内での暖かい心からの「共存」の必要性を強調、教皇一般謁見


教皇フランシスコは、バチカン・聖ペトロ広場で11月11日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

この日は、数日前から続いた穏やかな気候から10度ぐらい急に気温が下がり、寒さを感じる気温だったが雲ひとつなく晴れ渡ったローマ特有の青空の下、水曜恒例教皇一般謁見の会場聖ペトロ広場は朝早くから、教皇の話に耳を傾けその祝福を受けようと世界各国からやって来た巡礼者や信徒で一杯になった。

教皇フランシスコは定刻どおり会場に姿を現し謁見参加者らの大歓声と拍手に迎えられ、自らも人々の間を長い時間をかけてにこやかに巡回しながら席に着かれ、この日の一般謁見は開始した。

いつものように先ず各国語による聖書の朗読が行われ、続いて教皇はカテケシス「教会の教えの解説」をイタリア語でされた。その後、教皇庁職員のモンシニョーレによってカテケシスのヨーロッパ各国語による翻訳が朗読された。

この日のカテケシスで教皇は先日終了したばかりの「家庭についてのシノドス、世界代表教司教会議」との関連から「家庭内での共存」について話された。

教皇は現代社会全般の共存性の欠如を指摘しながら、世界中どこもかしこもあまりにも多くの壁や断絶そして閉鎖がはびこり、人々の間には共存性や相互理解、友愛などという社会生活に不可欠な要素がますま欠如する傾向が強いことを指摘された。先ず第一に社会の最も小さなしかし最も重要な要素である家庭内に共存精神を培う必要がることを強調され次のように話された。

「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、家庭内に一致があるかまたは分裂があるかは、どこで分かると思いますか。それは食卓ですぐに分かります。先ず家族全員が同じ食卓を囲んでいるかどうか。父親が自分の子供たちの顔を見ることよりテレビのほうに気を取られているかどうか。また子供たちは父親や母親の顔を見るよりそれぞれ自分の携帯電話やスマートフォンに夢中になっているかどうかによって、その家庭に一致があるかないかがすぐ分かります。皆さんの家庭の食卓ではいかがなものでしょうか。ここに家庭内での関係性の健康を図る正確な体温計があります。家庭内の健康は必要欠くべからざるものです。もし健康が損なわれていればいち早く治療しなければなりません。家族全員が決して一緒に食事をしない家庭や、お互い言葉を交わすこともなく各自が自分のスマートフォンやテレビばかりを見ている家庭は、真の意味での家庭とは言われません。食卓で子供たちがコンピュータや携帯にしがみついてお互いに話し合うこともないないなら本当の家庭ではありません。これは観想修道院での沈黙とは全く異なります。このような沈黙は利己主義の沈黙です。家庭での共存性は売り買い出来る物ではありません。豊かになりすぎた国々では、ありあまる物に毒され、その解毒剤すら必要とされる状態です。このような状況の中で人々は真の意味での心と身体の飢えへの注意力を失います。共存性が欠如するところには利己主義がはびこります。各自は自分のことしか考えなくなります。多くのあまりにも多くの兄弟姉妹たちが食卓につけないほどの飢餓に見舞われている最中に、テレビではしっきりなしにお菓子やキャラメルの宣伝がされるという事実は少し恥ずかしいこととは思いませんか。

キリスト教は特別な意味でこの共存性の召命を持っています。イエス・キリストは最後の晩餐の食卓で最高の共存すなわち、ご聖体の秘跡を制定しました。この事実からも家庭内での食卓の重要性が理解されることと思います」。

教皇フランシスコはこのように家庭内での共存、一致、和合の重要性について話された。

この日はちょうど共存、貧しい人々との分かち合いの模範であるツールの聖マルチーノ司教の祝日にあたっていたことから、教皇フランシスコは来年の「神の憐れみの聖年」はちょうどこの憐れみの聖人とも呼べる聖マルチーノの生誕1700年記念の年でもあることを思い起こされた。








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