2015-09-17 14:46:00

教皇「紛争は人の良心を破壊する」「悪に善で応えよう」難民支援ミーティングに


教皇フランシスコは、9月17日、難民支援をテーマとしたミーティングの参加者らとお会いになった。

教皇庁開発援助促進評議会が主催したこのミーティングでは、シリアとイラクにおける人道危機とその支援の現状をめぐり意見を交換。特にこの危機に対するカトリック系組織の対応、現地のキリスト教共同体の状況について情報がもたらされた。

シリアとイラクにおける紛争が多くの市民に住みなれた土地を緊急に離れさせ、このような状況の急速な拡大が国内と周辺地域の均衡を失わせているにも関わらず、国際社会はそれに対する答えを見つけられないでいると、教皇は会議参加者への挨拶で深い憂慮を表された。

残酷で容認しがたい人権の侵害を特徴とするこれらの紛争の様相は、過去とは異なり、メディアを通して即時に伝えられると述べた教皇は、世界の目の前で起きているこれらの悲劇に誰もが知らぬふりをすることはできないと強調。

これらの紛争の耐え難い結果を背負うのは常に気の毒な市民たちであると、教皇は問題の解決を見つける必要を説きつつ、その解決とは決して暴力的なものであってならない、暴力は新たな傷を広げるのみと話された。

教皇は特にこれらの人々への支援において、家族や、高齢者、病者、子どもたちへの配慮を呼びかけながら、特に子どもたちの家族と共に過ごし、保護され、学び、遊ぶ権利を守るよう願われた。

シリアとイラクで、過激で暴力的な原理主義の名のもとに、迫害され、時には殺害されるキリスト教徒たちに思いをはせられた教皇は、こうした状況の中でも教会は常に謙虚さと、誠実な対話、苦しむすべての人々への寛大な奉仕を通し、キリストを勇気をもって証ししていると述べられた。

紛争地で、悪は建物や市民の生活に必要な物を破壊するだけでなく、何よりも人間の良心を破壊していると教皇は指摘。

人類の傷を癒すために世に来られたイエスの名において、教会は悪に善をもって応え、一人ひとりと、すべての人々への関心を示しながら、人類の統合的発展に寄与するよう招かれていると話された。

そして、このためにも、他のキリスト教共同体や、国際組織、ずべての善意の人々との協力のもと、この難しい使命に応えていって欲しいと、関係者らに励ましをおくられた。

 

 








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