2015-07-13 12:03:00

パラグアイ:教皇、若者たちに励まし、南米歴訪を終了


教皇フランシスコは、7月12日午後、パラグアイでの最終行事として若者たちと交流され、南米3カ国歴訪を締めくくられた。

教皇は今月5日から9日間の行程で、エクアドル(キト、グアヤキル)、ボリビア(ラパス、サンタ・クルス)、パラグアイ(アスンシオン)を訪問されていた。

この日午前、アスンシオンのバニャド地区を訪問し、ニュワス公園で市民参加のミサを捧げられた教皇は、夕方、若者たちの待つコスタネラに向かわれた。

コスタネラは、パラグアイ川沿いに整備された道路を中心に緑地帯や砂浜からなる地区。教皇との出会いのため、河岸にはパラグアイ全土はもとより周辺国からも多くの若者たちが早くから続々と集い、教皇を迎えてその祝祭は夕暮れまで続いた。

この集いでは、若者たちによるコーラスやダンスによって今日の若者たちが生きる現実や希望が表現された。

また、代表の男女2人が、それぞれの困難な体験において、信仰から得た力と勇気について証しを行なった。一人の女性は、重い病気の祖母と母を何年間も介護した経験、一人の青年は貧困と放棄の少年時代から立ち直っていった過程を語った。

教皇は原稿を用いず、若者たちに率直に話しかけられた。

「自由とは神のわたしたちに対する贈り物です。しかし、それを受け取るには、『自由な心』が必用です。世の中にはわたしたちの心を縛ることがたくさんあり、心が解放されるということがありません。搾取される体験、生活上の困難、麻薬依存、悲しみなど、こうしたすべてが自由を奪ってしまうのです」

教皇はこのように話し、楽な生活や、偽の自由、悪い習慣など、世の様々な罠に隷属することなく、真の自由な心をイエスに願うようにと招かれた。

若い貴重な日々を病気の家族の世話で明け暮れたという女性の体験に、教皇は「奉仕」と「連帯」の崇高な形を認められた。

「彼女が教えてくれるのは、手を洗って関わりを断つ、ポンティオ・ピラトのようではいけないということです。これに対して、彼女は母と祖母に奉仕する道を選びました。愛を持って奉仕したのです」

この女性が叔母と友人たちからの助けで、前に進む力と、心のオアシスを得たことについて、教皇は「連帯」の大切さを若者たちに説かれた。

女性は問題から逃げることなく努力し、家族の世話で終わらず、さらに勉強し、看護婦となったことに対し、教皇はこの女性の奉仕は、非常に高いレベルの連帯、愛であると称賛された。

困難な少年時代をおくり、虐待や孤独感など辛い経験の中で麻薬依存に陥りかけた青年が、盗むことでなく、働くことで、生きる希望を得ていったことにも教皇は深い感動を示された。

自分の状況をじっと見つめ、そこには未来が無いと判断し、生活を変える努力を始めた青年の体験は、未来を夢見る希望や、仕事の喜び、生活のための闘いなど、様々なことを今日の若者たちに教え、感謝や連帯や愛に気づかせてくれると話された。

この青年が語った「わたしは神を知りました。神はわたしの砦です」という言葉に、神を知ることで得る希望と力、これこそが今の若者たちに必要なことであると教皇は強調。

「イエスよ、あなたが、生きること、幸せになること、夢を見ることを恐れる若者たちの力であることを、彼らに教えてください。彼らに力と、自由な心、希望、愛、奉仕を教えてください」と教皇は青少年のために祈られた。

こうして、南米3カ国の司牧訪問を終了された教皇は、12日夜、特別機でアスンシオンを後にされ、イタリア時間13日午後2時前、ローマに戻られた。








All the contents on this site are copyrighted ©.