2015-07-09 18:51:00

ボリビア:教皇、サンタ・クルスでミサ「使い捨ての論理から交わりの論理へ」


ボリビアを訪問した教皇フランシスコは、7月9日、サンタ・クルスでミサを捧げられた。

このミサによって、ボリビア国内の第5回聖体大会が開会された。教皇ミサの会場となったクリスト・レデントール広場と周辺は参加者で埋め尽くされ、その数はおよそ200万人に達した。

ミサ中の祈りには、ボリビアの多様な民族性を反映し、スペイン語をはじめグアラニー、ケチャ、アイマラの先住民族の言語が用いられた。

説教で教皇は、「わたしたちの間におられる神を祝うために、わたしたちは様々な地方や国からここにやって来ました。聖なる神の民としてここに共に集うために、わたしたちはしばらくの間、家や共同体を後にしました。十字架と宣教のイメージは、イエスの名のもとにこの地上に生まれたすべての共同体を思い起こさせると共に、わたしたちがその後継者であることに気づかせるのです」と話された。

この国でよく見られるように、子どもたちを肩に乗せた多くのお母さんたちの姿に感動を覚えると述べた教皇は、「人々が背負っているのは命、この国の未来、喜び、希望であると同時に、失望や悲しみなど実現されなかった正義の傷でもあります。皆さんが背負っているのは民の記憶です。民は記憶と共に歩んでいるのです」と話された。

歩みの中で疲れを覚えることもあれば、希望を保てない時もあるが、特にイエスの弟子たちが経験したように、到底すべての人に食べさせることは不可能な、大量の人々の群れを見ることもあるだろうと、教皇は日常生活や社会の現実を見つめられた。

こうした絶望した心にある種の論理が入り込むことは簡単であるとしながら、すべては交換可能な消費の対象と見、一見生産性、採算性が無く不要に思われるものを切り捨てようとする論理が広がる危険を教皇は指摘。

何も食べる物のない大勢の群集を解散させようとする弟子たちに「いや、行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい」と言ったイエスの言葉をわたしたちは再び聞く必要があると話された。

「誰一人疎外されてはいけない。誰も出て行く必要はない。排除はやめて、あなたたち自身が食べる物を与えなさい」というイエスの招きは今日も響いていると教皇は強調された。

そして、パンを取り、祝福し、それを分けるようにと渡す、イエスの3つの動作に倣い、わたしたちも使い捨ての論理を、交わりの論理、共同体の論理に変えていかなければならないと説かれた。

天を仰いで賛美の祈りを唱えるイエスの手と、飢えた群衆にパンを分けるイエスの手は同じ手であることを教皇は示しながら、人々の手から手へと、遠くまで渡っていくパンと魚を想像するように招かれた。

「聖体は世界の命のために裂かれたパンです」と述べた教皇は、聖体の交わりが、個人主義から抜け出し、共に生きることを可能にし、わたしたちが持っているもの、ありのままのわたしたちが、神の愛の力のもとに受け入れられ、祝福され、分け与えられるならば、それは他の人たちの命のパンとなれるという確信を与えてくれるようにと祈られた。








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