教皇フランシスコは、バチカンで6月29日、聖ペトロ・聖パウロ使徒の大祝日のミサを捧げられた。
カトリック教会の典礼暦は、この日、教会を代表する2本の柱、ローマの保護聖人である、使徒聖ペトロと聖パウロを祝った。
この日、聖ペトロ大聖堂内にある、アルノルフォ・ディ・カンビオ作といわれるブロンズの聖ペトロ像は、プルヴィアーレと呼ばれる祭服と三重冠で飾られた。
大聖堂にはこの1年間に任命された首都大司教らをはじめ、多くの司教・司祭らが集い、教皇とミサを共同司式した。日本からは昨年8月に任命された前田万葉・大阪大司教が参加した。
また、ミサには、コンスタンティノポリ総主教庁の使節としてイオアニス・ペルガモン府主教が参列した。聖ペトロ・聖パウロの祝日にコンスタンティノポリ総主教庁からバチカンへ、聖アンドレアの祝日にバチカンから同総主教庁へ使節を派遣することは恒例となっている。
教皇はミサの前半、新首都大司教らに託すパリウムを祝別された。
パリウムは、1月21日の聖アグネスの日に教皇によって祝別された羊の毛で織られた肩掛。幅細の白いウール地を輪状にし、十字の刺繍を施している。パリウムは、輪から首を通して両肩にかけるが、その姿は羊を肩に乗せた「善き羊飼い」の姿を象徴している。
これまでパリウムは、聖ペトロ・聖パウロの大祝日のミサの中で、教皇の手から直接首都大司教の肩に掛けられていたが、教皇フランシスコは今年からこれに若干の変更を加えられた。
教皇はパリウムをミサ中祝別し、これをミサの後で手渡される。パリウムは首都大司教が所属する教区において、その大司教区の管轄下にある各教区の司教らの参加のもと、教皇大使の手から大司教の肩の上に授けられる。教皇はこれによって、ローマと地方教会の絆はもとより、司教らと地方教会共同体の絆をも一層強めることを願われている。
ミサの説教で、使徒言行録にあるヘロデ王による初期キリスト教共同体への激しい迫害(12,2-4)を思い起こされた教皇は、この非人間的行為は、今日でも皆の沈黙を前に、世界の各地で続いていると話された。
教皇は使徒たちと初期キリスト教共同体の勇気を称え、彼らの死も殉教をも恐れぬ勇気が、非キリスト教の帝国の社会で、福音宣教を前進させていったと述べられた。
そして、彼らのキリスト教生活は、今日の信者たちにとって、祈りと信仰と証しの源泉になっていると説かれた。
ミサの終わりに、教皇とイオアニス府主教は共に中央祭壇下の聖ペトロの墓に降り、祈りを捧げられた。
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