2015-06-17 15:03:00

「死はすべての終わりではない」親しい人々との別れを考える、教皇一般謁見


教皇フランシスコは、6月17日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

現在、家庭をテーマにしたカテケーシス(教会の教えの解説)を続けておられる教皇は、この日は「親しい人々との別れ」について考えられた。

教皇は、ルカ福音書にある、イエスがやもめの息子を生き返らせるエピソード(7,11-15)を引用。ここに、ひとり息子を失ったやもめに対するイエスの深い憐れみ、また棺に手を触れ「若者よ、あなたに言う。起きなさい」と言い、この息子を生き返らせたイエスの、死に対する力を観想された。

死はすべての家庭が体験するものであり、死は生の一部をなしているが、それでも、愛する家族に死が訪れた時、その死を自然に受け入れることは難しいと教皇は述べられた。

とりわけ子に先立たれた親の苦しみは悲痛を極め、その喪失感が生む深淵は、彼らの過去だけでなく未来までも飲み込んでしまうと話された。また、早くして親を失ってしまった子らの悲しみも、幼い彼らの心に穴を開けてしまうと、その苦しい状況を思いやられた。

こうした場合、死は家族の生活に暗い穴を開け、それを誰も説明できないだけに、時には神のせいにまでしてしまうことがあると話された。

神の民においては、イエスに与えられた憐れみのおかげで、多くの家族は死がすべての終わりではないことを示してくれると教皇は述べ、死に直面した家族は信仰と愛を保つ力を見いだしながら、愛のうちに一致し、死がすべてを奪い去ろうとするのを拒むことができ、死の闇により多くの愛の働きによって対抗することができると説かれた。

主はわたしたちすべてのために死に勝利されたということを知るわたしたちは、この信仰において、互いを慰め合うことができると教皇は強調。わたしたちの愛する人々は闇の中に葬られたのではなく、神の優しく強い手の中に託されたのだと希望をもって確信することができると話された。

この信仰に支えられることで、家族の死はより家庭の絆と連帯を強め、他の家庭の苦しみにも心を開き、希望のうちに再生されながら、家庭間の兄弟的愛を育てることができると述べられた。

イエスがやもめの息子を生き返らせたエピソードを再び思いおこされた教皇は、特に「イエスはその息子を母親にお返しになった」(ルカ7,15)という福音書の言葉に注目。

「これこそがわたしたちの希望です。わたしたちの愛する人たちは皆亡くなってしまったとしても、主は彼らをわたしたちに返してくださるのです、わたしたちは彼らと再会するのです。この希望は決してわたしたちを失望させることはありません」と教皇はすべての家族を力強く励まされた。

 








All the contents on this site are copyrighted ©.