日本のカトリック教会は、3月17日、「信徒発見150周年」を記念する。
「日本の信徒発見」とは、幕末の1865年(元治2年)3月17日、大浦天主堂のフランス人宣教師ベルナール・プティジャン神父のもとに、隠れキリシタンが訪れ、自らの信仰を表した出来事である。
長崎の大浦天主堂は、居留フランス人の司牧のために同年2月に献堂されたが、信徒たちが訪れたのは、そのわずか1ヵ月後のことであった。この時、十数名の男女を代表して、一人の女性が同天主堂のプティジャン神父に、「われらのむね、あなたのむねと同じ」と信仰を表明しながら、「サンタ・マリアのご像はどこ」と聞いた。これが長く厳しい弾圧に耐えながら、信仰を固く守り抜いてきた日本の信者たちが再び名乗り出た瞬間であった。
プティジャン神父はこの出来事をヨーロッパの教会関係者に書き送り、日本の信徒発見の知らせは大きな驚きと感動、宣教熱をもたらした。一方で、当時の日本はまだ禁教下であったために、存在が明らかになったことで、信者たちは再び一層激しい弾圧を受けることになった。それは明治政府になってからも続き、1873年のキリスト教禁制の高札撤廃まで、信者たちは辛く厳しい試練に耐えなければならなかった。
日本では信徒発見150年を祝い、3月17日(火)、長崎・大浦天主堂で記念ミサがとり行われる。このミサには教皇フランシスコの特使として、フィリピン・コタバト大司教のオルランド・ケベド枢機卿が出席する。
教皇はこの機会に、特使のケベド枢機卿に書簡を託した。ラテン語の書簡で、2月15日付となっている。
書簡の中で教皇は、日本の教会のこの記念を祝うよう信者らを招くと共に、信仰のために自らの命を捧げた多くの殉教者たちに思いをはせている。
闇の時代を乗り越え、生き生きと信仰を保ち続けた多くの日本の信徒たちを思い起こすこの記念行事に際し、教皇は日本の信者たちに使徒的祝福をおくっておられる。
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