2015-01-18 12:45:00

「泣くことを学ぶ」「貧しい人々に教えられる」ことの大切さ、教皇、フィリピンの若者たちに


教皇フランシスコは、18日、マニラの大学で若者たちとの出会いを持たれた。

フィリピン滞在4日目、訪問も終盤に入ったこの日、教皇は午前中マニラ市内の聖トマス大学に赴かれた。

同大学は、教皇庁立として1611年に創設された、アジアで最も古いカトリック系大学で、最近創立400周年を迎えたばかり。現在およそ4万5千人の学生を擁する。

同大学で教皇は、最初にフィリピンの諸宗教代表者らと会見された。

フィリピンでは、カトリック信者が人口の82%以上を占めるほか、プロテスタント教会、正教会、イスラム教、ヒンズー教、ユダヤ教、仏教等の信者がいる。

諸宗教代表者らとの交流に続いて行われた、青少年との集いでは、キャンパスの運動場を埋めるおよそ3万人の若者たちに加え、構内や周辺を、教皇を歓迎する数万人の市民が取り巻いた。

集いでは、若者たちの代表が苦しみや、希望、信仰を語った。以前ストリートチルドレンであった2人の少年少女の言葉に教皇は深く耳を傾け、泣き出した少女を教皇がなぐさめる場面もあった。また、同大学の法学部の青年は、色とりどりのカードに記された学生たちのメッセージを大きなガラス瓶に詰めて教皇におくった。

教皇は原稿を用いず、通訳付のスペイン語で、若者たち一人ひとりに率直に語りかけるように講話を行われた。

この出会いで教皇は、若者たちに対する教会の愛と希望を伝え、フィリピンの青少年がより良い社会と世界のために貢献するよう情熱をもって励ましたいと述べられた。

「子どもたちがなぜ苦しまないといけないのか」という代表の少女の言葉を繰り返された教皇は、「心が自分自身を振り返り、泣くことができる状態にあるならば、その時、わたしたちも何かを理解することができるでしょう。いわゆる『世間一般的』な同情は、何の役にも立たないのです」と話された。

「今日の世界には泣く力が欠けています。疎外された弱い人たちは泣いていますが、別に困窮していない人々は泣くことを知りません。人生のある種の現実は、涙に洗われた目でないと見ることができません。」

「福音書の中でイエスは泣いています。イエスは死んだ友のために泣き、娘や息子を失った家族や親のために心の中で泣き、特に羊飼いのいない羊のような大勢の群集を見て、深く憐れみました。」

「泣くことを学ばないならば、よいキリスト者にはなれません」と教皇は強調された。

また、教皇は「頭で考え、心で感じ、行動すること」、「愛すること、愛されること」を学ぶよう、若い信者たちに勧められた。

特に教皇は、神の愛に心を開き、神の愛が与える「驚き・サプライズ」を受け入れるようにと助言。

「真の愛はあなたたちを空っぽにするでしょう。アッシジの聖フランシスコは死んだ時、何一つ持っていませんでした。でも、彼の心は愛であふれかえっていたのです」と、神の愛を受け入れ、それに動かされ、行動することを教えられた。

さらに、教皇は「貧しい人々から宣教される」ことが必要と若者たちに説き、「自分にはすべてが足りていると思っている人も、実は貧しいのです。自分の貧しさが何かを知るためには、貧しい人や、病気の人、助けを必要とする人々から、自分自身が教えられることです」と話された。

 








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