2014-12-09 18:56:34

核兵器の人道的影響めぐる会議:教皇、メッセージの中で「被爆者」に言及


ウィーンで12月8日と9日、「第3回核兵器の人道的影響に関する国際会議」が開かれた。

教皇フランシスコは、同会議開催にあたり、議長を務めるオーストリアのセバスチャン・クルツ欧州・統合・外務大臣に宛て、メッセージをおくられた。

このメッセージで教皇は、核兵器をすべての国や、未来の世代、地球という「人類の家」に関わる問題として示され、核の脅威をなくし、核兵器廃絶を進めるためにグローバルな倫理の必要性を訴えられた。

しばしば核兵器の威力に多くの関心が集る中、わたしたちはもっと核兵器によって引き起こされた人々の無用の苦しみに目を向けるべきと強調。

教皇は特に核兵器の犠牲者として、二度とこうした過ちが起きることがないようにと状況を見守る人々の存在に触れながら、同会議に参加する被爆者はもとより、他の核実験の犠牲者らに挨拶をおくられた。教皇はこのメッセージで「ヒバクシャ」という日本語を用いられた。

これらの人々の預言的な声は、人類家族を美しさや愛、協力や兄弟愛への深い賛美に目覚めさせる一方で、人間と文明を破壊する核兵器の危険を世界に思い出させていると、教皇は記された。

核による威嚇と相互の破壊は、人民や国家間の兄弟愛と平和の倫理の基礎にはなり得ないと教皇は述べ、若い人たちの未来のためにも、今、恐怖の論理と責任の倫理を比較し、信頼と対話の環境を育む時が来ていると説かれた。

また、教皇は核兵器が国々の豊かさを浪費させていることを指摘。核兵器に費やす予算を人類の総合的発展や、教育、医療、貧困との闘いに向けるべきであり、こうした浪費のしわ寄せは結果的に社会の貧しく弱い人たちに向けられることになると警告している。

平和と兄弟愛への思いは人間の心に深く根付くものと確信を述べた教皇は、人類の共同の家のために核兵器が完全に禁止されるよう、具体的な会議の実りを祈られた。








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