2014-12-08 18:53:38

無原罪の聖母:教皇、スペイン広場で祈りと献花


カトリック教会の典礼暦は、12月8日、無原罪の聖マリアを祝った。

この日、教皇フランシスコは、バチカンでの正午の祈りの集いに続き、夕方、ローマ市内の聖マリア大聖堂を訪問、そして、スペイン広場の無原罪の聖母像の前で祈りと献花を行われた。

無原罪の聖マリアの大祝日は、「聖母マリアが、その母の体内にやどった瞬間において、神の特別な恩恵と特典によって、人類の救い主キリストの功績を考慮に入れ、原罪のすべての汚れから守られた」ことを祝う。

無原罪の聖母に対する崇敬は教会の中で古くからあった。福者教皇ピオ9世は、1854年12月8日、これを正式に信仰個条(キリスト者が守る教え)として宣言した。

教皇フランシスコは、正午の集いで、神の恵みに完全に満たされ、原罪の汚れからあらかじめ守られたおとめマリア、そして、神の子の受胎を告げる天使に「お言葉通り、この身に成りますように」とその恵みに応え、自らを奉献したマリアを観想。聖母の無原罪の御宿りが意味するものは、わたしたちのための神の愛の無償の恵みにほかならないと強調された。

そして、わたしたちは救いという恵みを神から無償で受け取ったことを忘れず、それを他の人々にも分け与えていかなければならないと説かれた。

午後、最初に訪れた聖マリア大聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ)では、教皇は「サルス・ポプリ・ロマーニ( ローマ人の救い)」と呼ばれる古い聖母画が保管される礼拝堂で祈りの時を持たれた。教皇は様々な宗教行事や司牧訪問の前後などに、よくこの聖母画のもとで祈られている。

次いで、教皇はローマの繁華街、スペイン広場へと向かわれた。

スペイン広場に隣接するミニャネッリ広場には、無原罪の聖母のブロンズ像を載せた高さ約30メートルのコリント柱の記念碑がそびえている。このモニュメントは、ピオ9世の無原罪の御宿り教義宣言の3年後に建造されたもので、毎年12月8日、無原罪の聖マリアの祝日に、ローマ市消防団が聖母像の腕に花輪を掛けるほか、多くの市民が記念碑の足元に花を捧げる。

12月のローマは雨がちな日が続いたが、この日は朝から青空の広がる穏やかな一日となった。夕日の差すスペイン広場に到着された教皇は、聖母像の前で、ご自分が記した祈りを読み上げられた。

「わたしたちの御母、完全に罪から免れたあなたは、わたしたちの大きな慰めです。あなたにおいて悪は無力であることは、悪と戦いながら毎日をおくるわたしたちを希望と勇気で満たします」

「しかし、この戦いでわたしたちはひとりぼっちではありません。イエスは十字架の上で亡くなる前に、わたしたちにあなたを母として与えてくださいました。」

「わたしたちは罪びとです。しかし、無原罪のあなたの子らとして、神の恵みによって最初からあなたの中で輝くその聖性に、わたしたちもまた招かれているのです。この希望によって、今日、わたしたちに、家族に、この街に、全世界にあなたの母としての保護を祈り求めます」

教皇はこのように聖母に祈られた。

そして、教皇によって祝福された白バラの大きな花かごが、無原罪の聖母のモニュメントに捧げられた。

教皇は集った市民に挨拶をおくられ、特に、夕刻の冷え込みにも関わらず広場の前列で行事を見守った病者や子どもたち一人ひとりに、温かい言葉と祝福を与えられた。









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