2014-10-17 19:00:45

教皇、国連食糧農業機関にメッセージ、「世界食料デー」に


教皇フランシスコは、10月16日「世界食料デー」に、国連食糧農業機関にメッセージをおくられた。

2014年度の「世界食料デー」のテーマは、「家族農業:人々を養い、地球にやさしく」。今年は「国際家族農業年」に指定されていることもあり、このテーマを通して、特に農村地域の貧困・飢餓の撲滅、食料安全保障、環境保護、資源管理などにおいて家族農業が果たす重要な役割への関心を高めることを主眼としている。

食糧農業機関(FAO、本部:ローマ)のグラジアノ・ダ・シルバ事務局長に宛てたメッセージで、教皇は、「世界食料デー」を、日々の食べ物にも事欠く人々の叫びを聞く一方で、大量の食料が無駄にされ、利益のために生産物が廃棄されていることの矛盾を考える機会として示された。

教皇は、自然を尊重した食料問題への対応を考える上で、家族農業の重要な貢献に注目しつつ、家族で農業を営む人々の必要に、技術面からだけでなく、人間的・精神的・社会的な面からも注意を向けていくことが大切と記された。

また、家族農業が育む経験や作業能力、家族間の愛と連帯の絆は、社会生活のモデルともなるべきものと教皇は述べ、実際、家族で農業に携わる人々ほど、自然を次世代に伝えることに関心を払い、個人とグループの結束に心を砕く人々がいるだろうかと記された。

今日ほど、分裂や紛争を克服し、グローバルな危機に対する出口を見つけるために、世界が個人間、国家間の一致を必要としていることはないと教皇は強調。これらの危機は特に貧しい人々に犠牲を強いるものであるが、わたしたちはそれに対する連帯と分かち合いの義務を負っていると説かれている。

教皇は、貧しい人々への支援は、食料を配給するという「技術的行為」に留まってはならず、すべての人を隣人と見なし、彼らの中に同じ尊厳を認め、家族生活と同様の愛を見出す「分かち合い」の精神が重要と指摘。

飢餓を撲滅するためには、危機的状況にある人々のその都度の必要を満たすだけでなく、支援と発展の政策、農産物の生産と消費の国際ルールを見直すことが必要と述べておられる。









All the contents on this site are copyrighted ©.