2014-10-08 18:06:36

教皇フランシスコ:
「キリスト者間の分裂を前にして決して諦めるな、一致へ向けて絶えず前進」
一般謁見(2014.10.8)


素晴らしい秋晴れの10月第二水曜日、恒例水曜教皇一般謁見のために会場となったバチカン聖ペトロ広場は朝早くから、世界各国からの巡礼者で一杯になった。

教皇はこの日のカテケシス(教会の教えの解説)でキリスト者間の一致について解説し、教会の歴史の中で絶えず存在し続けた分裂はキリストの御心を最も傷つけるものであることを強調された。謁見最後の各グループへの挨拶ではこの日謁見会場に姿を見せていた「ヨーロッパ臓器移植の日」推進者たちに臓器移植は苦しむ人々に対する愛の行為の大いなる証しであり、多くの人々の救いであると語り励まされた。教皇のカテシスは次の通り。


親愛なる兄弟姉妹の皆さんおはよう。
これまでのカテケシスでわたしたちは教会の本質とその美しさについて考察してきました。そして神の民である教会の一員であることはわたしたち一人ひとりにどのような生き方を要求するのか自問しました。しかし、わたしたちと共にキリストへの信仰を持ちながらも他の異なる共同体に属している多くの兄弟たちがいることを忘れてはなりません。多くの人々はこの分裂を前にして諦めてしまっています。またわたしたちのカトリック教会の中ですら諦めている人々がいます。この分裂は歴史の流れの中でいつも争いや苦しみの戦争の原因となりました。これは実に恥ずべきことです。今日でも人々の関係は必ずしも相互の尊敬と友情の上に立っているとは限りません。この現実を前にして一体どうしたら良いのでしょうか。この分裂に関して、わたしたちは無関心とまでは言わないまでも諦めてしまっているのではないでしょうか。あるいは完全な一致と和解に向けて前進しなければいけない、いや進むことが出来るはずだと堅く信じているのでしょうか。
完全な一致、それは皆が共にキリストの御血と御身体を受けることが出来るということです。
キリスト教徒間の分裂は教会を傷つけると同時にキリスト自身をも傷つけます。分裂しているわたしたちはキリストに傷を負わせるのです。なぜなら教会はキリストの身体でありその頭はキリストご自身だからです。イエスがご自分の弟子たちがキリストへの愛において一致していることをどれほど心にかけていたかをわたしたちはよく知っています。ヨハネの福音者第17章にあるご受難が近づいていた時イエスが天の御父に向けた祈りの中での言葉を考察すれば十分でしょう。「聖なる父よ、彼らを守ってください。それは、彼らがわたしたちのように一つになるためです」。
この一致はイエスがまだ彼らの間にいた時から脅かされていました。事実、福音書の中にはキリストの弟子たちが「自分たちの間で誰が一番偉くて重要か」などと言い争っていたと書かれています。しかし主はいつも御父の愛の中における一致の重要性を強調しておられました。私たちが互いに愛し合いそして一致の中に生きれば生きるほど、私たちの生活の証しは信憑性を持つからです。
キリストの使徒たちは聖霊のお恵みによってこのことを深く理解し心にかけるようになりました。聖パウロはコリントの共同体に次のように書き送っています「 兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストの名によって、あなた方に願います。みんな同じ主張をし、仲間割れなどせずに、同じ心、同じ思いでしっかり団結してください」。
長い歴史の流れにおいて教会はいつも分裂を起こそうと試みる悪魔の誘惑を受けてきました。そして残念ながら痛ましい重大な分裂が生じました。時には今日に到るまで長い年月続く分裂がありました。簡単には解決できそうにもありません。分裂や裂け目を引き起こした原因には神学的または倫理的原則や司牧に関する意見の相違また政治的な理由や個人的な野心や野望に起因するものもありました。しかし理由は何であれこれの分裂の底に横たわっているのはいつも傲慢や利己主義です。これらが常に寛容な精神や自分たちとは異なる考え方をする人々に耳を傾けること彼らを受けいれることを阻止してきたのです。

これら全ての前で聖なる教会のメンバーであるわたしたち一人ひとりに何が出来、何をしなければならないでしょうか。もちろんイエスとの一致における祈りを怠ってはなりません。キリスト者たちの一致のための祈りです。祈りと共に主は私たちにいつも心を開いていることを要求なさいます。決して対話や出会いに心を閉ざしてはなりません。たとえ私たちとは異なる考えを持っている人々からでも、全て良いこと価値あることポチティヴなことは受けいれる心の広さを持たなければなりません。
わたしたちを分裂させることではなく、わたしたちを一致させることに目をむけるよう主は要求します。ますます主を良く知り愛しそしてその愛を分かちあう努力をすべきなのです。








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