2014-09-10 20:17:01

教皇一般謁見・母なる教会は福音の本質「憐れみ」を教える(2014.9.10)


9月10日 水曜恒例教皇一般謁見がおこなわれた。聖ペトロ広場での一般謁見開始前に教皇はパウロ6世謁見ホールに集った病人たちに会われ、心からの慰めと祝福を与えると同時に教皇自身のためにも祈ってくれるよう願われた。その後聖ペトロ広場に集う信徒たちのところに行かれ、このところ続けている教会についてのカテケシスでキリストの福音の本質、中心である憐れみを教える母としての教会の姿について次のように話された。

親愛なる兄弟姉妹の皆さん、おはようございます。
教会のカテケーシスで私たちは母としての教会について考察してきました。
先週のお話では教会はどのようにして神のみことばの力と光によってわたしたちを成長させ、さらに、救いの道を示し、悪からまもってくれるかを強調しました。
今日は私たちの母なる教会の教育的な働きの特別な一面について強調したいと思います。すなわち教会はどのようにして憐れみの業を教えてくれるのかです。
本当に優秀な教育者はいつもことの本質に迫ります。些細な事柄に惑わされることなく、自分の子供もしくは生徒が生きる喜びと意義を見出すために本当に本質的なことだけを伝えようとします。これは本当です。.福音による本質とは何でしょうか。それは憐れみです。福音の本質、それは憐れみ以外の何ものでもありません。神は私たちの救いのために、すなわちその憐れみを私たちに与えるために、人となられた神であるその御子をつかわされました。イエスはご自分の教えを要約して弟子たちにこう教えました。「あなたたちの天の御父が憐れみ深いように、あなたたちも憐れみ深くありなさい」。(Lc 6,36).
憐れみ深くないキリスト者が存在しうるのでしょうか。いいえ決して存在できません。キリスト者は必然的に憐れみ深くあるべきです。なぜならこれこそ福音の中心だからです。キリストのこの教えに忠実な教会はその子らに同じことを繰りかえさざるを得ません。「天の御父が憐れみ深くあるように、憐れみそのものであるイエスがそうであるように、あなたたちも憐れみ深いものでありなさい」。
ですから教会はこうしてイエスと同じように振舞います。教会は決して愛についての理論的な教えを述べるだけではありません。教会は世界に哲学や叡智の道だけを広めようとはしません。.もちろんキリスト教にはそのような面があるのも確かですが。母なる教会はイエスのように手本をもって教えます。言葉は行為の意味を説明するのに役立ちます。
母なる教会は飢えている人や渇いている人に食べ物や飲み物を与えるように、また裸の人には着る物を与えるよう教えます。どのようにこれを実行するのでしょうか。多くの聖人や聖女を通して教会はこれを実行します。彼ら聖人聖女たちは素晴らしい方法でその模範を示してくれました。しかし、教会は多くのお父さんやお母さんたちを通してもこの業を実行しています。彼らはその子供たちに自分たちの余ったものはそれを必要としている人々のものであると教えるのです。このことを知るのは大切なことです。
最も単純なキリスト教家庭においてはおもてなしの精神は常に聖なる掟でした。これらの家庭にはいつも必要としている人々のために一枚のスープ皿や寝床が欠けることはありませんでした。
ある時ある母親がわたしに語ったことがあります。自分の子供たちに飢えている人に食べ物を与えるよう憐れみの業を教えようと思いました。三人の子供がありました。ある日、昼食の時間に、お父さんは仕事で家にはいませんでした。母親と3人の子供たちだけでした。7歳5歳4歳とまだ本当に小さな子供たちでした。扉をたたく人がいました。おなかをすかせ食べ物を乞う人でした。母親はその人に「ちょっと待っててください」と言いました。家に入り子供たちに言いました。「外におなかをすかせて食べ物をくださいと言う人がいます。どうしましょうか」「お母さん食べ物をあげましょう」と子供たちは答えました。一人ひとりそのお皿の上には一切れのお肉とジャガイモがありました。お母さんは「よろしい、では各自自分のお皿の上の食べ物の半分をおなかをすかせている人にあげましょう」と提案しました。すると子供たちは言いました「半分あげる、お母さんそれはだめです」と。そこでお母さんは子供たちに言いました。「あなたたち一人ひとりが自分のものを与えなければなりません」。お母さんはこうして子供たちが困っている人を助けるためには、各自自分のものを差し出す必要がることを教えたのです。この話は憐れみが何であるかを知るために大変役に立ちました。「余りなんかありません」と言うかもしれません。では「今あなたが今、持っているものを与えなさい」。母なる教会はこのように教えているのです。








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