2014-08-15 14:12:21

韓国訪問:教皇、テジョンで聖母被昇天のミサ、フェリー転覆事故犠牲者の冥福祈る


韓国訪問中の教皇フランシスコは、15日午前、テジョン(大田)でミサを捧げられた。

前日、ソウルで朴槿惠大統領と各界要人に会見された教皇は、滞在2日目、テジョンのワールドカップ競技場で韓国の信者たちとの最初の出会いとなるミサを司式された。

競技場には5万人の信者が詰めかけ、会場は教皇を歓迎する熱気であふれた。

カトリック教会の典礼暦で「聖母の被昇天」の大祝日が記念されたこの日、教皇は説教で、韓国のキリスト教徒たちが社会の様々な場において精神的刷新のための寛大な力となっていくことができるよう、聖母の保護を祈られた。

物質主義の魅惑が真の精神・文化価値を見失わせ、過度の競争精神がエゴイズムと闘争を生む現代社会の風潮に流されないよう教皇は説くと共に、新たな貧困を形成し労働者を疎外する非人間的な経済モデルや、命の創造主である神の姿をおとしめ、人間の尊厳を侵害する死の文化を拒むよう促された。

外面的に豊かであっても内部に苦しみや虚無を抱える社会に巣くう絶望に、福音の希望によって対抗するよう信者らを励まされた教皇は、喜びと信頼をもってここに集った若者たちの希望を失わせてはならないと呼びかけられた。

ミサの後半、正午のアンジェラスの祈りの際、今年4月に韓国で起きたフェリー「セウォル号」転覆事故の被害者を心に留められた。教皇は犠牲者の冥福と共に、遺族と支援者に神の慰めと支えを祈られた。そして、韓国の国民を悲しみで包んだこの事故が、共通善のための協力と連帯の努力を強めることを願われた。

このミサには、「セウォル号」事故の遺族や生存者らが出席していたが、教皇は特別車パパモービルで会場を巡回した際、これらの人々に挨拶された。

また、教皇はミサの前にも、司祭に引率された同事故の遺族と生存者のグループにお会いになった。犠牲者の父親である一人の男性は、十字架を背負い長距離の巡礼を果たし、この日教皇に洗礼を願い出た。教皇は翌朝バチカン大使館で洗礼式を行なうことを承諾されたという。








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