2014-06-09 16:50:49

教皇フランシスコ、パレスチナ・イスラエル両大統領と共に平和祈る


教皇フランシスコは、6月8日、イスラエルのペレス大統領と、パレスチナのアッバス大統領を招き、平和のために共に祈られた。

教皇は先月行われた聖地巡礼の際、両大統領に対し平和を一致して祈る機会を呼びかけ、バチカンをそのための場所として提供する旨を伝えていた。

この祈りの集いにはバルトロメオ1世・コスタンティノポリ総主教も参加、東西の教会が平和への思いを一つにする機会ともなった。

同日夕方18時頃、ペレス大統領とアッバス大統領は相次いでバチカンに到着。教皇フランシスコはご自身の住まいである聖マルタ宿舎の入口で各大統領を出迎え、それぞれ応接室で個人会談を持った。

この後、ペレス大統領とアッバス大統領は聖マルタ宿舎のホールで出会い、教皇とバルトロメオ1世が見守る中、和やかな雰囲気で挨拶を交換した。

同じマイクロバスに乗った教皇らは、バチカン市国内を横切り、「ピオ4世のカシーナ」に隣接する庭園に向かった。初夏の穏やかな夕日の下、緑に囲まれた会場にはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の使節が集った。

人民間に平和の賜物を願い求める祈りが、3つの宗教の代表によって、ヘブライ語、イタリア語、アラビア語で行われた。キリスト教の祈りでは、バルトロメオ総主教が最初に祈りを唱えた。祈りの合間には管弦楽が演奏され、落ち着いた調べが参加者らを観想にいざなった。

この後、教皇フランシスコ、ペレス大統領、アッバス大統領も、各自の祈りを捧げた。

教皇は、世界は先人たちから受け継ぎ、子どもたちの世代に託すものと、子どもたちの紛争における苦しみや、平和への希望に思いをはせつつ、「平和を築くには、戦争をする以上に勇気を必要とします。出会いを受け入れ、対立を退けるには勇気が必要です。暴力でなく対話を、敵意ではなく和平を、挑発ではなく協定の尊重を、これらすべてには大きな勇気が必要です」と、平和と対話への勇気を訴えられた。

ペレス大統領は、「イスラエルとパレスチナの人々はまだ熱く平和を望んでいます。母たちの子らに対する涙はいまだわたしたちの心に刻まれています。わたしたちは、叫びに、暴力に、紛争に終止符を打たねばなりません。わたしたち皆が平和を必要としています」と述べた。

アッバス大統領は、「エルサレムに平和が実現する時、全世界に平和が証しされるでしょう」という教皇ヨハネ・パウロ2世の言葉を引用。正義ある平和、尊厳ある生活、自由、独立した主権国家における発展ある未来を望み、「パレスチナとエルサレムがイスラム教、キリスト教、ユダヤ教のすべての信者のために安全な地となるように」と祈った。


集いの終了後、教皇とバルトロメオ総主教、両大統領の4人で、平和の象徴としてのオリーブの苗の植樹が行われた。
参加者ら解散後も、教皇ら4人は、教皇庁科学アカデミーの本部である「ピオ4世のカシーナ」に場を移して、会談を続けた。そして、午後21時すぎ、3時間にわたる祈りの会合は終了した。








All the contents on this site are copyrighted ©.