2014-01-13 19:09:27

教皇、駐バチカン外交団に新年の挨拶「出会いの文化が平和を築く」


教皇フランシスコは、13日、バチカン駐在の外交団に新年の言葉をおくられた。

この日、バチカン宮殿の王宮の間には、世界各国の大使らが一堂に会し、教皇と挨拶を交換した。

2013年2月に南スーダンとの国交を樹立したことで、現在、バチカンと外交関係のある国は180カ国。さらにこれらにマルタ騎士団、欧州連合、およびパレスチナの特別使節が加わる。またバチカンは国連にもオブザーバーとして参加している。

外交団への言葉で、教皇は最近の世界情勢を展望しつつ、各地域の平和を願い、家庭、命、宗教の自由、環境などの尊重を呼びかけられた。

カトリック教会の「世界平和の日」の今年度のテーマ、「平和への道と基盤としての兄弟愛」を掲げつつ、奉仕の精神と平和的共存を育てる兄弟愛は、家庭において学ぶものと教皇は強調。家族への帰属感の稀薄化、生活苦による危機、高齢者の孤立化、若者の抱える将来への不安など、内的・外的要因によって苦しめられている現代の家庭を支える政策を期待された。

教皇は「出会いの文化」こそが人々の交わりを育て、平和を築くものであり、自分を閉ざすことは妬みや利己主義、対抗心、権力・金銭欲を招き、さらには死や破壊の原因となると話された。

世界各地の情勢を広く見渡す中で、教皇はまず中東に言及。特にシリア紛争の終結と人道支援を願われると共に、レバノンの政情安定化、エジプトやイラクにおける社会の和解、イランとの核問題をめぐる対話などの必要をアピールされた。

アフリカでは、ナイジェリア、中央アフリカ、南スーダンなどの危機に対し、平和と和解を急務とし、無実の人々の血をこれ以上流すことのないよう、また人々に必要な支援を行き渡らせることができるよう願われた。

また教皇はアフリカの角地帯・湖水地帯の干ばつや暴力からの避難民はもとより、同大陸やラテンアメリカ、中東からよりよい生活を求めて欧米に向かう移民たちへの関心を訴えられた。

さらに、アジアに関して教皇は大きな関心を示され、特に今年外交関係樹立50周年を迎える韓国に、半島の和解と国民の幸福を祈られ、双方が対話の糸口と解決策を諦めずに追求していくことを希望された。

アジアにおける様々な民族・宗教の平和的共存の長い歴史に触れた教皇は、その共存が弱められるような傾向があることに対し、相互尊重の必要を改めて示され、特に宗教的理由で、キリスト教徒の自由を奪い、市民間の共存を脅かす状況の増加を憂慮された。

そして一方で、宗教・文化の大きな伝統を持つ国々の開かれた姿勢に教皇庁は大変希望を見出していると述べ、共通善の構築に向けての協力に期待を表された。

教皇はこの他、世界で見られる飢餓、堕胎、子どもたちへの搾取と暴力、人身売買、自然環境や資源の破壊などにも警告を発せられた。








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