2013-07-02 18:18:52

使徒聖ペトロ・聖パウロ:教皇、首都大司教らにパリウムを授与


カトリック教会の典礼暦は、6月29日、使徒聖ペトロ・聖パウロを祝った。

聖ペトロと聖パウロの両使徒は、教会を代表する2本の柱、ローマの保護聖人として知られる。

教皇フランシスコはバチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられ、この中で同祝日の伝統儀式として、ここ1年間に任命された首都大司教座の大司教34人に「パリウム」を授けられた。

このミサには、正教会のコスタンティノポリ総主教バルトロメオ1世が派遣したペルガモンのヨアニス府主教を団長とする使節も出席した。

また、ライプツィヒの聖トーマス教会合唱団の美しい歌声がミサをいっそう豊かなものとした。

ミサの初めに、パリウムの贈呈式が行われた。

パリウムは、毎年1月21日の聖アグネスの日に教皇によって祝別された羊の毛を織って作った幅4~6センチの白い帯状の布に、黒い絹糸で6箇所に十字架の刺繍を施し、輪になるよう仕立てたもの。祭服の上から首を通して両肩にかけるこの肩被は、羊を肩に乗せた「善き羊飼い」の姿を象徴する。

パリウムを祝別された教皇は、世界各国の新しい首都大司教(いくつかの司教区を管轄する大司教区の大司教)一人ひとりにそれを託しながら、励ましの言葉をかけられた。

教皇は続く説教で、ローマの司教(教皇)と世界の全司教の使命を「固める」という言葉と共に考察。「信仰」と「愛」と「一致」を固めるよう呼ばれたその生き方を示された。

「あなたはメシア、生ける神の子です」(マタイ 16,16)とイエスに信仰を言い表したペトロのように、イエスにおける信仰を固めること、そして「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上に教会を建てる」とイエスがペトロに告げた命に従い、イエスから託された教会への奉仕に尽くすことこそがペトロの後継者の基本的な使命と教皇は明示。

一方で、ご自分の死と復活を予告するイエスを「主よ、 そんなことがあってはなりません」といさめたペトロが、「サタン、引き下がれ。あなたは、 神のことを思わず、人間のことを思っている」と叱責されたことをも思い起こしながら、自分たちの考えや感情において、人間の権力の論理を優先させる時、わたしたちは神と信仰から離れ、「つまづきの石」になってしまうと、教皇は司教らに注意を促された。

次に、「わたしは戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走り通し、信仰を守り抜きました」(2テモテ 4,7)という、聖パウロの言葉を感動的なものとして引用された教皇は、聖パウロの戦いとは、キリストのメッセージという唯一の武器をもって、キリストとすべての人のために人生のすべてを捧げることであったと説かれた。

すべての司教はこのキリストと人々への愛を固めるために呼ばれていると教皇は述べ、福音のために自分をくまなく捧げ、自分自身から抜け出し、神の聖なる民への奉仕に向かうようにと励まされた。

教皇は、首都大司教たちに渡されたパリウムは「ペトロの後継者との一致のしるし」と話すと共に、ただしその「教会の一致とは、単一さを意味するものではない」とも指摘。

教会の中の多様性は偉大な豊かさであり、多様性の中の一致こそ、カトリック的、キリスト教的精神であると強調。一人ひとりが、教皇との、普遍の教会との、そして司教団との一致のための道具となって欲しいと、司教らに希望された。








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