2013-06-20 17:24:50

食糧問題:「基本倫理と、対話と連帯の文化を築く必要」教皇、FAO会議参加者に


教皇フランシスコは、20日、FAOの総会出席者に挨拶をおくられた。

FAO(国連食糧農業機関、本部:ローマ)は、今月15日から22日まで第38回総会を開催している。この日、ジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバ事務局長はじめ、会議参加者らはバチカンを訪れ、教皇フランシスコとの出会いを持った。

関係者への言葉で教皇は、経済危機はもとより、長引く紛争や気候変動などの多くの問題が、今日の世界の食糧・農業状況に大きな影響を与えている事態を見つめられた。

これに対して、多くの試みや対策が行なわれ、食糧生産も増加し、その量は必要に十分なレベルに達しているにも関わらず、未だ多くの人々が飢えに苦しんでいる現実は、実に恥ずべきことと、教皇は憂慮を表明。

貧富の差の拡大を防ぐだけでなく、正義と平等のうちにすべての人間が尊重されるよう、皆が地上の実りを享受できる方法を追求しなくてはならないと述べられた。

暴力や戦争、基本的自由の侵害、食糧の価格操作などを前に、人間とその尊厳は抽象的な存在でしかなくなっていると警告された教皇は、わたしたちの課題は人間と尊厳の問題を、世界の分裂を克服するための共有すべき柱・構造として提示していくことと話された。

食糧危機の原因は、自然災害のみならず、流血の紛争や、人間とその家族・共同体・環境の破壊にあると教皇は指摘。

飢餓撲滅のために、基本倫理を国際関係の中にもたらし、世界の対話と兄弟愛を追求しながら、出会いと連帯の文化を育む必要を訴えられた。








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