2013-03-28 19:15:24

「羊の匂いのする牧者に」教皇、司祭らに励まし、聖木曜日「聖香油のミサ」


「聖木曜日」の28日午前、バチカンで、「聖香油のミサ」が、教皇フランシスコとローマ教区の司祭たちによってとり行われた。

「聖香油のミサ」は、復活祭を直前にした「聖週間」中の木曜日、すなわち聖木曜日に、各教区の司教座聖堂において、司教と司祭の共同司式で捧げられるもの。式中、司祭叙階時の約束の更新と、聖油(洗礼志願者用聖油、病者用聖油、堅信等に用いる聖香油の三種の聖油)の祝別が司教によって行なわれる。

この朝、聖ペトロ大聖堂で行われた「聖香油のミサ」は、ローマ司教である教皇フランシスコをはじめ、ローマ教区の枢機卿、司教、そして教区司祭・修道司祭およそ1600人によって共同司式された。

教皇は説教で、「油注がれた者」の姿とその使命を観想。イザヤ書のヤハウエのしもべ、ダビデ王、主イエスが、神から油を注がれたのは、神の民に塗油するため、そして貧しい者、囚われた者、虐げられた人々に奉仕するためであったと述べられた。

詩編133の「かぐわしい油が頭に注がれ、ひげに滴り、衣の襟に垂れるアロンのひげに滴り」を引用しながら、教皇はこの祭司アロンに塗られた油が衣を伝わっていく様子を、香油が世界の果て、社会の「片隅」まで染み渡っていくイメージに重ねられた。

「良い司祭は、自分の民がどのように油塗られるべきかを知っている。神と人間をつなぐわたしたち司祭は、人々の香油に浸されたい思いを知らなければならない」と述べた教皇は、世の片隅、苦しみのあるところ、血の流された場所、目を開きたい、解放されたいと願う人々のいる場所に、贖いの力を持つわたしたちの油をもたらす必要があると強調された。

教皇は「自分の中から外に出ない司祭、人々にあまり油をもたらさない司祭は、わたしたちの民の最良の部分に触れること、すなわち司祭の心の奥深くを活性化させるその部分を失ってしまう」「満たされない司祭は、悲しい司祭となり、古いものや新しいことにこだわるだけになってしまう」と警告。

「皆さんにお願いします。自分の羊の真ん中にいる、羊の匂いのする牧者となってください」と司祭たちに大きな励ましを与えられた。








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