2013-02-28 15:44:35

ベネディクト16世、枢機卿たちに挨拶、教皇在位最後の日に


ベネディクト16世は、28日、教皇職在位最後の日を迎え、枢機卿らに挨拶をおくられた。

この日の午前、バチカン宮殿のクレメンスの間には、現時点でローマにいる144人の枢機卿が集った。

枢機卿団主席のアンジェロ・ソダノ枢機卿が、皆を代表して教皇に感謝の言葉を述べた。

ベネディクト16世はこれに対し、枢機卿たちへの信頼と愛情のあふれる言葉をおくられ、その中で光の時も曇りの時も共に信仰のうちに歩んだ8年間を思い起こされた。

そして、こうした歩みの中で常に教皇のそばにあった枢機卿団の貴重な協力に深い感謝を表された。

枢機卿団がこれからも調和と一致のうちに歩むことを願われたベネディクト16世は、新教皇選出はもとより、枢機卿団が負う重要な任務のために祈り、心を込めて彼らを祝福された。

教皇はまた、枢機卿団の中にいる「未来の教皇」に、無条件の尊敬と従順を約束された。

この後、教皇は、枢機卿たち一人ひとりと親しく言葉を交わされ、枢機卿らもそれぞれの思いを教皇に伝えていた。

ベネディクト16世の枢機卿団への言葉は次のとおり。

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尊敬する親愛なる兄弟の皆さん

大きな喜びをもって皆さんを迎え、皆さんの一人ひとりにわたしの心からの挨拶をおくります。いつものように、全枢機卿団の気持ちを「心が心に語りかける」ように、代弁してくださったアンジェロ・ソダノ枢機卿に深く感謝します。

「エマオの弟子」を引用しながら、わたしもまた、復活の主の光のもとでこの年月を皆さんと共に歩んだことは喜びであったことを、皆さんにお伝えしたく思います。昨日、何万人もの信者を前に述べたように、近くにいる皆さんの存在、皆さんの助言は教皇職において大きな助けでした。

この8年間、わたしたちは教会の歩みの上で、素晴らしい光り輝く時期と同時に多少の雲が空に立ち込めた時期も、信仰のうちに体験してきました。わたしたちはキリストと教会に深いまったき愛をもって奉仕しようと努めました。その愛はわたしたちの任務の核心です。わたしたちは、歩みを照らす唯一のものである、キリストから来る希望を与えました。

わたしたちは交わりのうちに成長したことを共に主に感謝し、これからもあなたがたが、枢機卿団のこの深い一致のうちにさらに成長できるようその助けを祈りたいと思います。
枢機卿団はオーケストラのようなもので、そこではそれぞれの違いと、普遍の教会の表現が、常に優れて調和したハーモニーに収斂していくのです。

グアルディーニは言っています。「教会は机上で作られた単なる一制度ではありません。教会は生きている現実です。教会はあらゆる生き物のように、これからも長く生きていくでしょう。その姿を変えながら、しかし、その本性は変えることなしに。その心臓はキリストです」。

昨日の聖ペトロ広場で、わたしたちはこのことを体験したように思えます。教会が聖霊に生かされた、生きた身体であることを目の当たりにしました。教会は本当に神の力で生かされています。教会はこの世にありながら、この世のものではありません。教会は神のもの、キリストのもの、聖霊のものです。この事実を、昨日わたしたちは目にしました。

こうした中、グアルディーニのもう一つの言葉も多くを語っています。「教会は霊魂たちの中で目覚めます」。おとめマリアが神のみ言葉を受け入れ、聖霊のみ業によって神の子を宿したように、教会は生き、成長し、そして霊魂たちの中で目覚めます。彼らは貧しさと謙遜のうちに神に自分自身を捧げることで、今日この世界にキリストを生み出すことができるようになるのです。

教会を通して、神のみ言葉の受肉の神秘は、常に現実となります。キリストはいつもどこでも歩み続けます。

親愛なる兄弟の皆さん、この神秘の中に、祈りの中に、特に毎日のミサの中に一致していましょう。 このようにして教会と全人類に奉仕しましょう。これこそが誰もわたしたちから取り上げることのできない喜びなのです。

皆さん一人ひとりにご挨拶する前に、わたしが祈りを通して皆さんのそばに留まり続けるということをお伝えしたく思います。特に今後数日、新しい教皇の選出において、皆さんが聖霊の働きに完全に従順であるよう、祈りたいと思います。主が、ご自身の望まれることをあなたがたに示してくださいますように。枢機卿団の皆さんの間には、未来の教皇もおられます。わたしはその未来の教皇に、すでに今日、わたしの無条件の尊敬と従順をお約束します。これらすべてに対し、愛情と感謝を込めて、心からの教皇祝福をおくります。









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