2013-02-12 17:03:03

バチカン広報局長「教皇の大きな勇気と自由の精神」


ベネディクト16世の教皇職からの引退発表について、バチカン広報局局長フェデリコ・ロンバルディ神父は、11日、次のようにコメントした。

「この朝、いくつかの列聖の件をめぐる定例公開枢機卿会議が行なわれ、新しい聖人の列聖式の日取りが決定されました。多くの枢機卿が集ったこの会議を、教皇は特別に重要な知らせを告げる機会としました。」

「教皇は自分の良心を何度も神の前で問い、自分の手にこの使命を託された神への祈りの頂点において、個人的な深い決意に達したと述べています。そして、高齢のために、自分の体力が教皇職を遂行するのに十分でないという確信を得ました。これがこの決断における基本的動機です。」

「教皇の引退をめぐる理由の中には、今日の世界に対し、様々な問題の発生する速さと量のために、以前と比べてより多くの取り組みが必要となり、そのための体力も要求されるようになったということを挙げています。教皇はその体力が減じたことをここ数ヶ月感じておられました。」

「教皇が述べた『この行為の重大さをよく自覚した上で、完全な自由をもって、ローマの司教職、聖ペトロの後継者の位を引退することを宣言する』という公式宣言は、教会法の点からも重要です。教会法332条2項に『ローマ教皇がその職を辞する場合、それが有効であるためには、その辞退は自由に、正当に公表されなければならない。これに対し、誰かの受諾を必要としない。』とあります。重要なのは、自由に、正当に公表されるべきという2点ですが、教皇は実際、枢機卿会議という公の場で、自らの意志を表明したのです。」

「教皇は2月28日の20時まで、完全にその職権と仕事にとどまります。その時点から、空位期間が始まりますが、それについては教会法と、ヨハネ・パウロ2世が使徒座空位期間について定めた使徒憲章『ウニヴェルシ・ドミニチ・グレジス』に記された法的観点から規定されることになります。」

「今回の引退宣言は、ペーター・ゼーヴァルド氏の教皇へのインタビューをまとめた本『世の光』の中で、まさに辞任に対する質問に教皇ご自身が答えていることと言動一致するものです。ゼーヴァルド氏は、まず、困難な状況が教皇職に影響を与えることがあるとしたら、それに対し辞任という道を考えたことがあるかと質問しています。この問いに教皇は『避けがたい大きな危機の最中は、当然、辞任すべき時ではありません。まさにこのような時こそ、困難な状況に耐え、それを乗り越えなければなりません。わたしはこう考えます。安定した時期にある時、あるいは単純にどうしても体力が持たない時に、辞任することができると思います。しかし、危機の時に、逃げたり、他の人にやってもらうと言うことはできません』と答えています。したがって、教皇は、困難は辞任の理由ではなく、むしろ辞任しない理由となると言っています。次に、ゼーヴァルド氏は『では、教皇が引退すべき状況というものを頭に描いていますか』と質問しています。これに教皇は『そうです。教皇が体力的・精神的に託された任務を遂行できないと明らかに自覚するに至った時、辞任する権利がありますし、ある状況下では辞任する義務もあると思います』と述べています。」

「ベネディクト16世は、空位期間が始まると共に、最初はカステルガンドルフォに、そしてバチカン内にある女子観想修道院の補修工事が終わった後に、この修道院に移られると思われます。」

「わたし個人としては、教皇の引退宣言を、その大きな勇気と自由の精神、ご自分の任務に対する責任の自覚の深さゆえに、非常な感嘆をもって受け取りました。ベネディクト16世は、霊的な自由さの大きな証しと、今日の世界における教会統治の問題への自覚をわたしたちに与えてくれたと思います。」








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