2012-12-27 18:38:17

アジアの司教たちのメッセージ「勇気と情熱をもって新しい福音宣教を」


アジア司教協議会連盟の第10回総会の最終文書がこのたび発表された。

アジア司教協議会連盟(FABC)は、アジア地域(中東を除く)の司教協議会が加盟して1970年に作られた連盟。

4年ごとの総会は、今回初めてベトナムを開催国として、12月10日から16日まで行われた。テーマは「40年目のFABCとアジアの挑戦」。

会議には100以上の使節が集い、日本からは高見三明大司教、大塚喜直司教が参加した。

議場では、今日の福音宣教への大きな挑戦として、グローバル化、文化との関わり、諸宗教対話、信教の自由、貧困との闘い、先住民族の保護、移民問題、環境保護など幅広い観点から考察がなされ、アジアの伝統の中に聖霊の豊かさを見出しつつ、共に新しい福音宣教の精神を生きる必要が提唱された。

発表された最終メッセージでは、今日の社会、家庭、キリスト教共同体の信仰を脅かす多くの問題に対し、無気力や悲観主義に陥ることなく、新しい福音宣教に刷新された情熱をもって向かうよう、また、世界・自分たちの心の奥深く・時のしるし・すべての真に人間的なものの中で働かれる聖霊に信頼し導かれていくよう呼びかけている。

文書はイエス・キリストとの個人的な出会いや、聖人や殉教者たちを模範とする宣教への情熱など、アジア大陸の新しい福音宣教への10の道のりを示している。

また、新しい宣教者は、神の国をこの世の現実から離れたものとして考えることなく、イエスのメッセージが生活や社会のあらゆる場面に触れるものであることを認識するよう、そして神や人々、自然との交わりを証しし、推進し、平和を築く者となるよう招いている。

さらに文書では、アジアにおける福音宣教という大きな使命において、真のキリスト教的生き方を静かで雄弁に証しするために、謙虚な立場から、観想と祈りをも含めた対話のアプローチをとることの必要にも言及。

そして、アジアの新しい福音宣教者は、預言者的視点をもって、神の子である人間の尊厳を傷つける社会の様々な矛盾を訴え、すべての人々の人権を守っていかなければならないとアピール。グローバル化や不正義、自然災害や原発による災害、テロや原理主義などの犠牲者と連帯し、環境を守り、利益追求のための自己中心的な自然の搾取に反対するよう説いている。

メッセージは最後に、アジアにおけるイエスの「小さな群れ」に、恐れることなく勇気を持って福音を告げるよう励ましている。








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