2012-12-14 19:26:41

2013年世界平和の日:教皇のメッセージ発表


教皇ベネディクト16世の来年度の「世界平和の日」に向けたメッセージが発表された。

カトリック教会は、毎年1月1日を「世界平和の日」とし、戦争や分裂、憎しみや飢餓などのない平和な世界が来るように祈っている。

2013年度の「世界平和の日」のテーマは「平和を実現する人々は幸い」。

序章を含め全7章からなる教皇のメッセージは、平和をめぐる教会の社会教説を要約し、カトリック信者の社会的・政治的責任に対する小さなガイドの役割を果たしている。

教皇は、流血の闘争や戦争が続く現代の世界情勢を見つめると共に、貧富の差の拡大、節度を欠いた資本主義経済にも見られる利己主義や個人主義的メンタリティー、テロリズムや国際犯罪、真の宗教の本質を揺るがす狂信主義や原理主義など、世界に新たな緊張を生んでいる様々な要因を列挙。

こうした中、イエスの山上の垂訓の「平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ 5,9)という言葉を示し、真理と自由、愛と正義に基づいた社会の構築のために、この福音のメッセージを生きるよう招かれた。

山上の垂訓のイエスの言葉は、平和はメシアの賜物であると同時に、人間の業でもあることを表していると教皇は指摘。実際、平和には超越した存在に開いたヒューマニズムが必要であると述べた。

また教皇は、平和のためには相対主義や独りよがりの道徳観などを取り除き、神が人間の良心に記した自然法を認めることが必要と指摘している。

教皇は平和構築のために、兄弟愛と分かち合いに基づいた新しい経済・発展モデル、労働の権利に対する新しい政策、食糧危機の管理などの必要性を強調。

このほか、教皇は平和の基礎として、受精から自然な死に至るまでの命の尊重、男女間の婚姻、社会の基本単位としての家庭の保護、学校教育の重要性を挙げられた。

人間と平和の発展の原点であるイエス・キリストを新たに告げることが急務と教皇は述べると共に、イエスの言う「平和を実現する人」とは、他の人の善、魂と体の完全な善を求める人であると記されている。








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