2012-09-14 19:23:06

レバノン訪問:教皇、ハリッサで「中東のためのシノドス後の使徒的勧告」に署名


教皇ベネディクト16世は、レバノン司牧訪問初日14日の午後、ハリッサのカトリック・ギリシャ・メルキト典礼司教座大聖堂で、「中東のためのシノドス後の使徒的勧告」への署名を行なわれた。

ハリッサは、首都ベイルート北東約20キロの、ジュニエ湾を見下ろす小高い丘の上の町。「レバノンの聖母巡礼聖堂」で知られる。同巡礼聖堂は、教皇ピオ9世による無原罪の宿り」の教義宣言から50周年を記念し、1904年に献堂された。また、巡礼聖堂の近くにはバチカン大使館が置かれている。

ハリッサのギリシャ・メルキト典礼司教座・聖パウロ大聖堂を訪れた教皇は、東方典礼の聖歌が厳かに響く中、ギリシャ・メルキト典礼のグレゴリウス3世ラハム総大司教をはじめ、レバノン司教団、中東シノドス関係司教らに迎えられた。

この署名式には、スレイマン大統領や、正教会、イスラム教の使節も出席した。

教会の典礼暦で十字架称賛を祝ったこの日、教皇は手にした十字架を会衆に示し、祝福を与えながら入堂された。

グレゴリウス3世ラハム総大司教と、教皇庁シノドス事務局・事務局長ニコラ・エテロヴィッチ大司教の挨拶、聖書朗読に続き、教皇は使徒的勧告署名にあたっての講話を行われた。

教皇は、署名式を十字架称賛の日に行うのは摂理的なことと述べ、この祝日が335年、東方で生まれたことを思い起こされた。

実際、キリスト教的な交わりと証しは、過ぎ越しの神秘と、十字架、イエスの死と復活の上に成り立つものにほかならないと強調しながら、キリスト教徒にとって、十字架称賛とは、神の人間への無限の愛を伝えることであり、復活という視点において十字架を称賛することは、この神の愛を完全に生き、表現することであると話された。

2010年にバチカンで開催された中東のためのシノドスでは、現在の中東のキリスト教徒たちの喜びと苦しみ、不安と希望の状況が明らかになり、全教会は強い緊張と不安のうちにもキリストに従おうとする兄弟姉妹たちの叫びを聞くことになったと教皇は振り返った。

そして、同時に教会は、この地に生きるキリスト者の信仰における勇気を賛美し、神に感謝せずにはいられないと話された。

教皇は、中東シノドス後の指針となるこの使徒的勧告『エクレジア・イン・メディオ・オリエンテ』は、中東の教会の未来をキリストの眼差しをもって見つめたものであると説明。聖書学、司牧、霊性、典礼、カテキズム、対話など、様々な観点から、時に困難で苦しみに満ちた状況の中でキリストに従う道を示す、その内容を紹介された。

今日、十字架称賛の祝日の光の下、恐れず、真理にとどまり、信仰の純粋さを保つようにと教皇は中東の信者らに呼びかけ、「わたしたちの苦しみを神への愛の叫び、そして隣人への慈しみに変えること、これこそが栄光の十字架の表現である」と力強く説かれた。

「中東の教会よ、恐れてはなりません。主は世の終わりまであなたがたと共におられるからです。恐れてはなりません。普遍の教会はあなたたちのそばにいるからです」と励まされた教皇は、中東のすべての人々が平和と兄弟愛と信仰の自由のもとに生きることができるようにと祈られた。

こうして教皇は、中東の教会の未来の発展を願いつつ、使徒的勧告『エクレジア・イン・メディオ・オリエンテ』に署名された。

この使徒的勧告は、16日、ベイルートでとり行われるミサの中で、関係司教らに手渡される。








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