2012-05-16 18:25:55

聖パウロと祈りをテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで16日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇はキリスト教の祈りをテーマに、現在、聖書に見る祈りの形やその精神を考察されている。これまで数回にわたり「使徒言行録」中の祈りを取り上げた教皇は、この日から「聖パウロの書簡」中の祈りの考察に入られた。

教皇は最初に、聖パウロの書簡がいつも祈りで始まり、祈りで終わっていることは偶然ではないと述べながら、神への感謝と賛美から、神に祝福を願い、取次ぎを求める祈りまで、使徒パウロの書簡にあふれる祈りの豊かさを再発見し、その様々な表現の中に、生活のあらゆる状況に入り込んでいく祈りの力を見出すよう信者らを招かれた。

聖パウロの書簡は、祈りが単にわたしたちから神に向ける一方的な行為ではなく、わたしたちの中におられる御父とイエス・キリストの生きた存在の実り、わたしたちに働きかける聖霊の賜物であることを教えてくれると、教皇は話された。

特に、「『霊』も弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが、『霊』自らが言葉に表せないうめきをもってとりなしてくださるからです」(ローマ8,26)という聖パウロの言葉を引用した教皇は、パウロにとって祈りとは人間の中に働く聖霊の業であったと述べられた。

教皇は、人はキリストの霊に導かれて生きることで、1)聖霊に生かされた祈りにより、あらゆる形の恐れや隷属から解放され、神の子として真の自由を生きることができるようになる、2)神との関係がどのような状況にも左右されないほど深くなる、3) 祈りが自分自身に留まらず、外に開き、他の人々や世界に向かうようになる、と説かれた。

聖パウロの教えに倣って、わたしたちも聖霊に心を開こうと呼びかけられた教皇は、キリストの霊がわたしたちの「弱い」祈りを強める力、「消えた」祈りを照らす光、「冷えた」祈りを燃やす火となるようにと願われた。

この日の謁見で、教皇は前日15日に記念された国連の「国際家族デー」に言及。今年のテーマが「家庭と仕事の両立」であったことを紹介された。

教皇は、仕事が家族生活の妨げとなることなく、家庭が命に扉を開き、社会や教会との関係を築くための、支えと助けとなることを希望された。また、日曜日が「主の日」であることはもとより、休息の日、家族の絆を強める日であるよう望まれた。








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