2012-05-04 17:54:28

教皇、5カ国の新大使に挨拶「貧困問題に取り組み、より良い社会構築を」


教皇ベネディクト16世は、4日、5カ国の新大使とお会いになった。

この日、信任状提出のためバチカンを訪れたのは、エチオピアのテショム・トガ・チャナカ大使、マレーシアのダトー・ホー・メイ・ヨン大使、アイルランドのデビッド・クーニー大使、フィジーのナイヴァカルルバラヴ・ソロ・マラ大使、アルメニアのヴィグェン・チテトキアン大使。

新大使らを歓迎された教皇は、現代の人類、社会、環境を脅かす様々な問題に正義と連帯をもって取り組んでいくよう励まされた。

教皇は、都市部への人口集中、武力闘争、飢餓、病気などが貧困を増大させているほか、世界的経済危機が多くの家庭の生活を不安定な状態に置いていると述べ、市民の間に不公平感を生む貧富の差の拡大を憂慮。

不平等をなくし、すべての人に尊厳ある生活を保障する社会法のあり方を示唆すると共に、国家の発展が経済成長だけではなく、人間の総合的成長を目指すものであるように望まれた。

社会の基盤を強化するためには、もう一つの貧困にも注意を向けるべきと述べた教皇は、精神的価値や神に対する意識の欠如から来る心の貧困にも言及。こうしたことが人々に善悪の判断を困難にさせ、共通善に対し自分の個人的利益を優先させる原因になっていると指摘された。

「宗教は他人を人類の兄弟として見出すことを可能にする」と説きながら、教皇は、人間の内面を成長させ、兄弟愛に満ちた社会の構築に導く宗教の重要性、その自由を保証する大切さを強調された。








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