2012-02-07 18:13:49

2012年度四旬節に教皇のメッセージ


教皇ベネディクト16世の今年度の四旬節メッセージが発表された。

四旬節とは「灰の水曜日」に始まり、復活の主日まで日曜を除いて40日間にわたる、復活祭前の準備期間をいう。今年の灰の水曜日は2月22日。教会の暦はこの日をもって四旬節に入る。

2012年度の四旬節に向けた教皇メッセージのテーマは、「互いに愛と善行に励むように心がけ、励まし合いましょう」(ヘブライ人への手紙10,24)。

教皇はこのメッセージで、上記のテーマを、1.「心がける」、2.「互いに」、3.「愛と善行に励むように励まし合う」の3つの要素から考察されている。

まず教皇は、「心がける」というギリシャ語の動詞が、福音書の様々な箇所で「関心を持つ」「意識して見る」という意味で使われていることを紹介。特にイエスご自身の言葉と行いに目を向けることはもとより、エゴイズムの広がりや私的な空間の優先によって無関心が横行する現代に、兄弟たちの状況に対し注意深い関心を寄せることが大切となっていると述べている。

「隣人への愛」という偉大な掟は、自分と同じように、神の子として作られた兄弟たちに対する責任感を必要とすると教皇は述べ、兄弟愛に満ちた眼差しを育てるならば、連帯や正義、いつくしみや憐れみは自ずと心にわき出でるだろうと記している。

教皇は、他人に対する関心はその人に善を望むものであり、その善とは物理的・倫理的・精神的な全般にわたるものでなくてはならないとし、人々の苦しみに目をつぶりがちな自分の固い心に注意し、物質的な助けのみならず、彼らの精神的な善にも心を配るべきと指摘している。

また、テーマ文の「互いに」という言葉に、教皇は相互的、共同体的な意味を強調されながら、キリストの神秘体としての教会において、それぞれが配慮し合いながら、自分の益ではない多くの人の益を求めて助け合い、神の恵みを反映することの重要さを説いている。

さらに、「愛と善行に励むように、励まし合う」ことで、キリスト者としてより大きなカリスマ、より高く豊かな愛(カリタス)を目指しながら、皆が聖性に向けて共に歩むことを教皇は奨励。一人ひとりが他の人に役立つよう神から与えられたそれぞれの才能を活かし、互いに励まし合いながら善き業に励み、神への愛と忠実を世に証しするよう信者らを招いている。








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