2012-01-24 18:11:40

2012年度「世界広報の日」に向け教皇メッセージ:「沈黙とことば」の関係を考える


今年度の「世界広報の日」に向けて、教皇ベネディクト16世のメッセージが発表された。

カトリック教会の「世界広報の日」は、福音宣教の中でも特に新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、映画など広報機関を用いて行う宣教について、教会全体で考えることを目的とする。毎年、聖霊降臨の前の日曜日に記念され、今年は5月20日に行われる。日本の教会では聖霊降臨の前々週の日曜日(復活節第6主日)に記念、今年は5月13日となる。

第46回目となる2012年度広報の日のテーマは「沈黙とことば:福音宣教の歩み」。

教皇メッセージは、「沈黙とことば」という、人間のコミュニケーション上、大切でありながらも、忘れられがちな関係に注目され、真の対話を築くためにはこの2つのバランスを追求することが大切と述べている。

ことばと沈黙が相容れず、互いに譲り合わない場合、言葉の過剰か、あるいは一種の冷たさによって、コミュニケーションの質が低下してしまうことを教皇は指摘。

沈黙はコミュニケーションの一部であり、それ無しでは中身の濃い言葉というものも存在しなくなる、また、沈黙することで相手に話す機会を与え、こうして互いの言葉に耳を傾けるスペースを設けることで、より人間的な関係が成立すると説いている。

現代社会のコミュニケーションは思いがけないほどの問いと回答にあふれているが、メッセージや情報があふれた場所でこそ、沈黙は本質的要素であり、それは多くの刺激や回答の中で、真に必要なものや、何が重要で何が無用かの識別を助けてくれると教皇は述べ、さらに沈黙の観想が永遠のみことばを浮かび上がらせてくれることを強調している。

「コミュニケーションを学ぶとは、耳を傾けること、観想を学ぶこと」と、教皇は、話すことと同様に大切な沈黙の価値を示しつつ、「沈黙とことば」という補い合う要素が、現代社会における新しい福音宣教に必要であると記している。








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