2011-12-23 19:15:24

教皇、降誕祭前に協力者たちに挨拶、教会の一年の動きを振り返る


教皇ベネディクト16世は、22日、バチカンの高位聖職者たちに降誕祭前の挨拶をおくられた。

この席で教皇は、ご自身の協力者としてバチカンの各省・評議会・委員会、外交などの仕事にたずさわる枢機卿、司教らの日頃の労をねぎらうと共に、この過ぎた1年を振り返られた。

現在ヨーロッパが直面している経済・財政危機は、突き詰めれば同大陸を脅かしている倫理上の危機に根源を持つものと、教皇は洞察。ヨーロッパが貧しい人々や苦しむ人々に向ける連帯と責任感は認められるが、個人や大きな社会グループがこうした目的のために犠牲を払うその強い動機がしばしば欠けているように思われると指摘された。

意識と意志は必ずしも一致するものではないと述べながら、教皇は、私たちの意識を単に一般的な理想ではなく、具体的な取り組みに変える光はどこから来るのか、私たちの意志を高く持ち上げる力はどこにあるのかと問い、この問いに私たちが福音を告げることによって、新しい福音宣教によって答えていかなければならないと説かれた。

教皇は、この1年はもとより、これから将来も同様、教会の大きなテーマは、「今日の世界にどのように福音を告げるか」ということであると明言。

このテーマを中心に据えて行われた1年の様々な行事の中でも、特にクロアチア、スペイン、ドイツ、ベニンへの海外司牧訪問、またアッシジでの平和祈祷集会をはじめイタリア国内各地での人々との出会いを思い起こされた。

教皇はさらに今年の教会の重要な動きとして、教皇庁内の新しい組織として「新福音化推進評議会」が創設されたこと、そして同じ目的を持って、来年の新しい福音宣教をテーマとしたシノドスの準備が進んでいること、またバチカン公会議開幕から40年を記念した「信仰の年」の来年開催が決定したことなどを上げられた。

ドイツ訪問はエキュメニカルな性格を帯びたものとなり、ヨーロッパの教会の信仰の危機を見つめ、信仰を生きたものとするイエス・キリストとの出会いの重要性を確認する旅となったと教皇は話された。

教皇はアフリカ訪問で出会った信仰への喜びに溢れた情熱にも言及。多くの問題と苦しみにも関わらず、キリスト者としての、また教会の一員としての喜びに支えられたアフリカの信者たちの姿は、大きな勇気付けとなったと述べた。

アフリカ訪問と同様、「疲れを知らない信仰の力」のもう一つの大きな体験として、教皇はマドリッドで行われた世界青年の日大会(ワールドユースデー)の日々に触れ、この大会での素晴らしい経験は新しい生きた福音宣教そのものであったと回想された。

そして、この大会で見た5つの要素、「教会の普遍性」「信仰のために自分の時間の一部を捧げること」「熱心な聖体礼拝」「赦しの秘跡に与ること」「信仰から来る喜び」を、すべての信者に必要なものとして示された。

最後に教皇は、アッシジでの諸宗教代表者との平和祈祷集会を真理と平和への巡礼における新たな一歩と位置づけながら、この出会いが平和と和解と正義への奉仕にさらなる道を開くことを期待された。








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