2011-12-19 19:00:33

教皇、ローマのレビッビア刑務所を訪問、受刑者の尊厳をアピール


教皇ベネディクト16世は、18日、ローマのレビッビア刑務所を訪問された。

降誕祭を前に行われたこの刑務所訪問で、教皇はキリストの愛を受刑者らに伝えると共に、これらの人々の尊厳が守られるようにと社会にアピールされた。

受刑者らへの挨拶で教皇は、「お前たちはわたしが牢にいたときに訪ねてくれた」 (マタイ25,36)というイエスの言葉を引用。最後の審判の様を示唆するイエスのこの言葉が今回の訪問の意味をすべて語っていると述べられた。

飢える人、渇く人、旅人、病者、囚人のいるすべてのところで、イエスご自身が私たちの訪れと助けを待っておられると教皇は強調。こうした考えから教会は常に受刑者への訪問を大切な慈愛の行為として捉えてきたと話された。

「私が来たのは、神が果てしない愛で皆さんを愛しておられ、皆さんはいつでも神の子であることをただ伝えたいからなのです」と、教皇は限りない神の愛を説くと共に、イエスご自身もまた囚人としての体験をし、裁判を受け、死刑と言う最も残酷な判決を受けたことを思い起こさせた。

教皇は受刑制度の目的が正義を再び確立し、罪を犯した人を再教育することを目的としていることを確認しながら、一方で裁判の誤りをなくし、受刑者たちの尊厳を人間として尊重する必要を説かれた。

法の完成は愛にあると述べた教皇は、人間は神の審判を適用することはできないが、その精神が人間の正義の深くを照らし、受刑者たちが決して疎外されることのない環境を作り上げていくことを願われた。

教皇は受刑者たちの代表の挨拶と質問を受けられ、受刑者たちが投げかける不安や希望の言葉の一つひとつに誠実に答えられた。









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