2011-06-23 18:48:29

教皇一般謁見、詩編をテーマに


教皇ベネディクト16世は、バチカンで22日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

現在、祈りをテーマとした一連のカテケーシス(教会の教えの解説)を続ける教皇は、旧約聖書中の人物、アブラハム、ヤコブ、モーセ、エリヤらの祈りを経て、今回より、「偉大な祈りの本」である詩編の考察に入られた。

この日、教皇は詩編の概要を示され、次回より、詩編の中から教会で最も親しまれているいくつかを取り上げ、理解と観想を深めていきたいと予告された。

旧約聖書の「詩編」は150の詩編を収録した、いわば「祈りの式文集」で、信者たちがそれを自分の祈りとしながら、神に立ち返り、神との関係を深めるようにとの願いのもとにつくられている、と教皇は解説。

詩編の中には、喜びや苦しみ、神を求める心、惨めさ、幸福、絶望、神への信頼、孤独の苦悩、死への怖れなど、人間が生きていく上でのあらゆる体験や感情を見出すことができ、信者が持つ現実は、詩編の祈りに自然に溶け込んでいくと述べられた。

賛美、嘆き、個人的なあるいは皆のための願い、感謝、悔い改め、知恵など、詩編の表現内容は様々であるが、教皇は詩編の祈りには大きく言って嘆願と賛歌の2つの性質が見られると指摘。

苦悩や危険、罪など、困難な状況に置かれた自分に必ず答えてくれるであろうとの、神への信頼に動かされた「嘆願」、そして神から受け取った恵みとその偉大な慈しみに対する「感謝と賛美」と、その2つの性質は一つに結ばれ、詩編は神への永遠の賛歌となっていると話された。

詩編において、神の御言葉は詩編作者のインスピレーションを通して祈りの言葉となり、それはやがて祈る人自身の言葉となっていくことから、詩編はまさに祈りを教える書であると教皇は強調。それは、子どもが自分の経験から得た感情や感動を親や他の人から教えられた言葉で表現しているうちに、やがてそれを自分自身の言葉としていく過程に似ていると説明された。

教皇は、詩編に親しむことで、神と向き合うことを神ご自身から教わりながら、詩編に導かれ支えられて、毎日の祈りを歩んで欲しいと願われた。








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