2011-05-08 18:46:52

教皇、北イタリア司牧訪問、アクイレイアへ「豊かな精神遺産のもと信仰の再発見を」


教皇ベネディクト16世は、北イタリアへの司牧訪問に出発された。

教皇の訪問は7日と8日の2日間で、この間、アクイレイアとベネチアを訪れる。

7日午後、教皇は最初の訪問地、フリウリ=ベネチア・ジュリア州のアクイレイアに到着された。

アクイレイアの歴史は古く、古代ローマの植民都市としてのその建設は紀元前181年にさかのぼる。アクイレイアの教会は、早くから東欧宣教のための中心地となり、中世期に大きく発達、周辺地域の教会の母として重要な役割を果たした。アクイレイアの教会からは、イタリア、スロベニア、クロアチア、オーストリア、ドイツの36教区が誕生している。

教皇の訪問は、2012年に同地で開催される「アクイレイア第2回教会会議」に向けた「準備年」の開幕を目的とするもの。この教会会議には、北東イタリアをはじめ、アクイレイアを起源とする各地の教会からの代表者が一堂に会する。

アクイレイアの大聖堂前で地元市民や教会関係者に挨拶をおくられた教皇は、かつてこの地が、ローマ帝国の都市としての繁栄の歴史だけでなく、福音を周囲の地域に積極的に広め伝えた勇気ある模範的な生きた教会の歴史を刻んだことを思い起こされた。

そして、アクイレイアの教会の豊かな精神遺産を胸に、教父たちの信仰を受け継ぎ、キリストこそが希望、未来、赦しの力、正義と平和の唯一の与え手であるという真理を再発見して欲しいと、信者たちに願われた。

この後、教皇は大聖堂内で、アクイレイア第2回教会会議の関係者たちとお会いになった。

教皇は、貴重な信仰の遺産を世俗化された現代に目に見えるものとして生き、社会の最も弱い人々に愛をもって奉仕し、未来の不安を抱え、神に渇く若い人々を常に支えていくよう、教会関係者らを励まされた。

また、現在の北イタリアがヨーロッパ東西の交差する場所であるのみならず、移民現象や観光化によって南北の人と文化の交わりをも生んでいることを指摘された教皇は、多文化の中で誠実な関係を築きながら、キリスト者としての生き方を示し、より人間的で連帯した社会の構築に尽くして欲しいと希望された。

教皇はこの日の夕方、第二の訪問先、ベネチアに向かわれた。翌日、8日午前、教皇はベネチア・メストレで北東イタリアの全教会のためにミサを捧げ、午後からは、ベネチアのサン・マルコ大聖堂で教会関係者との集い、サンタ・マリア・デラ・サルーテ教会で文化・芸術・経済界の代表との出会いを行われる。








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