2011-05-05 19:01:40

「キリスト教の祈り」についての考察を開始、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで4日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で教皇は、「教父」「中世の神学者」「教会に影響を与えた女性たち」というこれまでの考察に続き、新しいテーマとして「キリスト教の祈り」について共に考えていきたいと述べられた。

教皇はここでいう祈りとは、イエスが私たちに教え、教会が教え続ける祈りであると明示しながら、実際、人はイエスにおいて神に親しく近づくことができるのであり、「わたしたちに祈りを教えてください」(ルカ 11,1)と言ったイエスの最初の弟子たちのように、私たちも師イエスに謙虚に信頼をもって尋ねたいと話された。

そして、聖書に耳を傾け、教会の教父、霊性や典礼の大家たちの伝統を知ることで、「祈りの学校」ともいえる主との関係をより深く生きることを学びたいと、今後のカテケーシスの内容を示された。

教皇はこのテーマへの導入として、エジプトやメソポタミア、ギリシャやローマの古代文明における人々の祈りを例に引きながら、神を見たいという苦しむ人の純粋な思い、罪の認識とそれからの解放と憐れみを求める姿勢、神という存在に人間界の出来事や自分の生き方を導いて欲しいとの願い、社会共同体の生活を託し感謝と賛美を捧げるものなど、様々な祈りの形、神と祈りの関係に注目。

これら異なる時代や文明の祈りの中に、自分を越えた存在、すべての善の源である神に、自分の存在の意味を問い、死の彼方までおよぶ希望を求める人間の普遍の意識を指摘された。

教皇は、人間の宗教的側面、神を求める心は旧約・新約聖書を通して満たされ、キリスト教的「啓示」は神に対する人間からの熱望を清めつつ完成に導くと述べながら、この「祈りの学校」の歩みを始めるにあたり、主との祈りにおける関係がさらに強く、愛に満ち、安定したものとなるよう、主の照らしを祈られた。








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