2011-04-24 18:03:24

復活祭2011:教皇「復活したキリストと共に歩いていこう」日本に慰めと希望を祈る


カトリック教会の典礼暦は、24日、紀元2011年度の復活祭を迎えた。

23日夜、復活徹夜祭をバチカンの大聖堂で荘厳にとり行われた教皇ベネディクト16世は、明けた24日、復活の大祝日のミサを聖ペトロ広場で捧げられた。

同日正午には、教皇は大聖堂の中央バルコニーから、復活祭のメッセージをおくられた。

この日のローマはさわやかな春の陽気に恵まれ、バチカン周辺は教皇の祝福を受けようとする家族連れや、巡礼者であふれた。大聖堂前には復活祭時期の風物詩である人工庭園が造られ、オランダから贈られた花木が明るい色彩を放っていた。

「キリストは復活された!」という知らせは20世紀の時間を隔て、今日も教会に響き続けると述べた教皇は、先進的コミュニケーション技術の現代にあってもなお、キリスト教信仰は、キリストの復活を体験した聖母マリアやマグダレナら女性たち、そしてペトロをはじめとする使徒たちの証しに基づいていると指摘。

キリストの復活は、思考の結果でも、神秘体験の結果でもなく、一つの「出来事」であり、歴史をも越えるこの出来事は、歴史のある一点に起き、消せない刻印を記していることを忘れてはならないと教皇は強調された。

春の日差しが木々の芽を吹き出させるように、キリストの復活の光は、人間のすべての希望、願い、計画に力と意味を与えるが、一方でこの世界には、復活のハレルヤの響きに対比して、貧困や飢餓、病気、戦争、暴力などに苦しむ人々の叫びがあると述べながら、教皇は、これらすべての苦しむ人々のためにキリストは死に復活したのであり、復活の主は彼らに自由と正義と平和の道を開くのであると説かれた。

教皇は、世界情勢を展望する中で、特に中東とアフリカ諸国の緊張を憂慮され、リビアに非暴力と対話、コートジボアールに和解を訴えられた。

被災した日本に対する教皇の思いはこのメッセージにも示された。教皇は「最近の地震で深刻な被害を受け、悲しみと苦しみの中にある日本の地に、慰めと希望がもたらされますように」と祈られた。

「兄弟姉妹の皆さん、復活されたキリストは、私たちの前を、新しい天と地に向かって歩いておられます。この傷ついた世界を、キリストの後ろに従って、ハレルヤを歌いながら歩いていきましょう。私たちの心には喜びと苦しみ、私たちの顔には微笑みと涙があります。これが私たちの地上の現実です。しかし、キリストは復活され、私たちと共に歩いておられます。ですから、この世の自分の仕事に忠実に、眼差しを天に向けながら、歌い、歩いていきましょう」

このようにメッセージを締めくくられた教皇は、続いて、世界の65ヶ国語で復活祭のお祝いを述べられ、日本語でも「ご復活祭おめでとうございます」と挨拶された。

そして、教皇はローマと世界に向けた教皇祝福、ウルビ・エト・オルビをおくられた。








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