2011-04-22 17:22:48

聖金曜日:教皇、宗教番組で視聴者の質問に回答、日本からの質問を通し、被災者に励まし


教皇ベネディクト16世は、イタリア放送協会(RAI)の宗教番組で視聴者からの質問に答えられた。

宗教番組「ア・スア・イマジネ」で、教皇は同番組のインターネットサイトで公募されたキリスト教に関する質問に回答。番組は22日、キリストの受難を記念する聖金曜日に放映された。教皇がテレビを通して人々の質問に答えるのは初めてのこと。

質問は全部で7つあり、教皇は一番最初に、日本の少女からの質問に答えられた。

この質問は、震災の大きな恐怖と悲しみを訴え、なぜこのような悲しい目に会わなければならないのか、と問うもので、教皇は苦しむ日本の人々に「神は皆さんを愛しておられます」と伝えながら、被災した日本のために祈りと連帯を改めて表明された。

日本の少女からの質問と、これに対する教皇の回答は次のようなものだった。

質問:「私の名前はエレナです。日本人で7歳です。今、私はとっても怖いです。大丈夫だと思っていた私のおうちがとても揺れたり、私と同じ年くらいの子どもがたくさん死んだり、お外の公園に遊びにいけないからです。なんで子どももこんなに悲しいことにならなくてはいけないのですか。神様とお話ができるポープ(教皇様)、教えてください。」

教皇の答え:「親愛なるエレナ、心からの挨拶をおくります。私も同じように自問しています。どうしてなのか? 他の人たちが快適に暮らしている一方で、なぜ皆さんがこんなにたくさん苦しまなくてはならないのか? 私たちはこれに対する答えを持ちません。でも、イエスが皆さんのように無実でありながらも苦しんだこと、イエスにおいて示された本当の神様が、皆さんの側におられることを、私たちは知っています。たとえ私たちが答えを持ち合わせていなくても、たとえ悲しみは残っても、このことは私にはとても大事なことに思われます。神様が皆さんのそばにおられるということ、これが皆さんの助けになることはまちがいありません。いつかなぜこうだったかがわかる時さえ来るかもしれません。今、大切なことは、「神様はわたしを愛しておられる」と知ることです。それはたとえ神様が自分を知っているように見えなくてもです。いいえ、神様は私を愛してくださり、私のそばにおられるのです。そして、世界で多くの人たちが皆さんに心を寄せ、皆さんのことを思い、皆さんを助けるために、何かできる限りのことをしようとしているということを知って、心強く思って欲しいのです。そして、いつか、この苦しみが無駄ではなく、そのあとに良い計画、愛の計画があることを理解できる日が来るでしょう。安心してください。私たちは、あなたと、そしてすべての苦しむ日本の子どもたちと共にいます。私たちは、祈りと行いを通して皆さんをお助けしたいと思っています。そして、神様が皆さんを助けてくださることを信じてください。その意味で、皆さんに一刻も早く光が訪れるよう一緒にお祈りしましょう。」

この他の質問として、イタリア人の母親から2年間植物状態にある息子について、イラクの信者から迫害下にあるキリスト教徒の状態について、コートジボアールのイスラム教徒の女性から分裂した国に平和を再びもたらすにはどうしたらよいかなど、切実な体験からくる質問、さらにイタリアの信者たちからイエスの復活や聖母マリアについて問うものが続いた。教皇はこれら一つひとつの質問に誠実に答えられた。








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