2011-04-21 18:44:36

聖木曜日:バチカンで聖香油のミサ、3種の聖油にキリスト者の生き方を見る


典礼暦で聖木曜日を迎えた21日、教皇ベネディクト16世は、午前、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、聖香油のミサをローマ教区の司祭らと共に捧げられた。

「聖木曜日」は、復活祭直前の一週間、聖週間中の木曜日をいう。

この日の典礼として、午前中に「聖香油のミサ」が行われる。これは、各教区の司教座聖堂において司教と司祭によって共同司式されるもので、式中、司祭の誓いの更新と、司教による聖油の祝別が行われる。

ミサの説教で教皇は、この日祝別される3種の聖油、すなわち洗礼志願者用聖油、病者用聖油、そして堅信などに用いる聖香油について、それぞれ説明された。

教皇は、洗礼志願者用聖油について、洗礼を受ける人はまずこの油を通してキリストと聖霊から最初に触れられると述べ、これは人間が神を探すのではなく、神ご自身が私たちを探してくださったことを意味すると指摘。愛に促されて、神ご自身から私たちの方に歩み寄ってくださったように、私たちも神に向かう歩みを続けなくてはならないと話された。

また、病者用の聖油は、神の優しさを苦しむ人々のもとに運ぶもの、と教皇は説明。キリストご自身が多くの人を癒され、その癒しを大切な使命として使徒たちにも託されたように、私たちも多くの聖人たちに倣い、病気や、飢餓、暴力、迫害、失望などに苦しむすべての人たちに、神の愛を伝えるよう招かれていると述べられた。

そして、堅信や司祭叙階に用いる聖香油に触れながら、教皇はすべてのキリスト者の持つ「司祭的性格」を明示され、世にキリストを目に見える形で証しし、人々を神に導くその使命を強調。人々が神を知らず、あるいは神から離れていく現代において、神の愛によって油を塗られ、聖霊を受けた者として、喜びをもって福音のメッセージを告げていくよう、すべての信者たちを励まされた。

この後、司祭たちは叙階の日の誓いを新たにし、信者たちもまたすべての司祭のために祈った。

続いて、洗礼志願者、病者、堅信予定者と司祭叙階予定者らが、油の入った3つの大きな銀の壺を助祭と共に祭壇に運んだ。教皇はこれらの油を祈りと共に祝別された。

聖木曜日の午後、教会の典礼は「聖なる過ぎ越しの3日間」に入ることでその頂点を迎える。

教皇は、夕方、ローマ教区司教座聖堂であるラテランの聖ヨハネ大聖堂に赴かれ、キリストによる聖体とミサ聖祭、司祭職の制定を記念する「主の晩餐のミサ」を捧げられる。このミサ中に集められた献金は、日本の地震と津波の被災者の支援にあてられる。








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