2010-12-20 18:31:18

教皇、協力者らに降誕祭前の挨拶、一年を振り返る


教皇ベネディクト16世は、20日、教皇庁の高位聖職者らに降誕祭を前に挨拶をおくられた。

毎年恒例のこの集いには、日頃、教皇の協力者としてバチカンの各組織で働く、枢機卿・大司教・司教らが出席した。

教皇はこの席で、過ぎた一年を振り返る講話を行われ、特に聖職者による未成年の虐待問題、中東シノドス、英国司牧訪問を中心に話された。

昨年6月に幕開けし、今年6月に閉会した「司祭年」を教皇は喜びと感謝をもって思い起こされる一方、まさにこの年に、信じがたいほどの規模で、聖職者による未成年への虐待が明るみに出たことに深い苦しみを表された。

そして、司祭がその聖なる任務に反し、未成年を深く傷つけ、生涯にわたり損害を与えるこの虐待行為を改めて厳しく非難された。

教皇はこの恥ずべき出来事を、真理への促しと、刷新への招きとして受け止め、この不正義を精一杯償うために何ができるかを追求し、特に司祭の養成においては、このようなことが二度と起きないように努力しなければならないと述べた。

また、教皇はこの機会に、被害者を助け、教会への信頼を取り戻すことに努めている人々、そして主の謙遜と誠実と優しさを伝える多くの善き司祭たちに感謝の言葉をおくられた。

中東のための特別シノドス(代表司教会議)は、カトリックにおいても様々な文化・伝統・典礼に属する人々、さらに同地域の異なる宗教の人々の参加をも得て、広い視点で行われたことに言及。

ここ数年、中東での共存の歴史が揺るがされ、緊張と分裂が高まり、暴力が吹き荒れる中、キリスト教徒たちが少数派として最も厳しい試練にさらされている現状を見つめながら、シノドスは信仰と理性をもって、対話と赦しと相互受容への大きな精神を世に訴えたと、教皇は振り返られた。

さらに、英国司牧訪問でのジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿の列福式を思い起こされた教皇は、同枢機卿の回心の歩みを、すべての人に通じる精神の歩みとして示された。

教皇はこの1年の感謝を神と協力者に向けられ、すべての人々によい降誕祭と実り多い新年を祈られた。







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