2010-10-15 18:02:27

「飢餓に打ち勝とう」世界食料デーに教皇メッセージ


教皇ベネディクト16世は、10月16日の「世界食料デー」に向けてメッセージをおくられた。

国連が制定した世界食料デーは、世界の食料問題に対する人々の関心を高め、飢餓や貧困問題に立ち向かうための連帯を深めることを目的としている。

2010年度世界食料デーのテーマは、「飢餓に対して結束する」。

15日、国際連合食糧農業機関(FAO、本部:ローマ)で行われた記念式典の席上、FAOオブザーバー・バチカン代表レナート・ヴォランテ大司教によって教皇のメッセージが読み上げられた。

教皇は、この記念日は世界の食料問題の現状を捉えるだけでなく、連帯の欠如が招く困難を認識する機会でもあると指摘。

しばしば食料問題をめぐる関心は、住民の真の必要から離れ、農作業や、農産物の保護には重点が置かれず、こうした中で経済の不均衡が生まれ、人権や人間の尊厳は無視されていると、教皇は述べている。

飢餓からの解放には、食料を確保するだけは十分でなく、人々が毎日その食料を実際に手にすることができなければならないと強調しながら、教皇は、人々の食べる権利を十分満たすだけの生産と供給を支えるため、資源や組織を確かなものにしていく必要を示された。

また、教皇は水資源問題についても言及。水は人間のからだと、農業、自然保護のために本質的な要素であるとし、水の権利の保護を訴えられた。

教皇は、国際社会が飢餓に対して本当に結束するならば、貧困はからだと心と精神の一致としての人間の真の発展を通して克服されるだろうと述べながらも、技術に頼り、物質的な必要を満たすことだけが発展だと考えられている今日の傾向を憂慮された。

真の発展とは何かを持っているということだけでなく、それが兄弟愛や連帯、共通善といった高い価値に裏づけられたものでなくてはならないと述べながら、教皇は、飢餓との戦いが愛と真理から成るものであるようにと願われている。







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