2010-10-11 19:26:09

中東のための特別シノドス開幕:「交わりと証し」テーマに

 


バチカンで10日、中東のための特別シノドス(代表司教会議)が、教皇ベネディクト16世と参加司教らの共同司式のミサをもって開幕した。

教皇ベネディクト16世は、2006年11月・12月のトルコ司牧訪問、2009年5月の聖地巡礼などをはじめ、これまで様々な機会を通して中東の教会の情勢に積極的に触れてこられた。中東の教会間の交わりを強めると共に、カトリック教会全体が中東教会への関心と連帯をより深めることができるよう、2009年9月、教皇は「中東のためのシノドス」開催の意向を発表。2010年6月には、司牧訪問先のキプロスで、教皇より同シノドス討議要綱が関係司教らに託され、開催への具体的準備が進められていた。

シノドスは、「中東のカトリック教会:交わりと証し:『信じた人々の群れは心も思いも一つにした』(使徒言行録4,32)」をテーマに、10月24日まで、バチカンを会場に行われる。

今シノドスで対象となる「中東」の教会とは、エルサレムとパレスチナ地区をはじめサウジアラビア、バーレーン、キプロス、エジプト、アラブ首長国連邦、ヨルダン、イラン、イラク、イスラエル、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、シリア、トルコ、イエメンの地域の教会を指す。

上記地域全体のキリスト教徒は人口比で約5,62パーセント。カトリック信者に限れば、その割合はおよそ1,6パーセント。

これら中東地域のカトリック教会は、ラテン典礼の他に、コプト、シリア、ギリシャ・メルキト、マロン、カルデア、アルメニアの各典礼教会から構成される。

このたびのシノドスに参加する司教は185人。当事地域である中東諸国の司教らが大半を占めるが、中東に接するアフリカ北部・東部諸国、中東の信者の移民が多い欧米諸国の司教ら、また教皇庁の関係者らも参加。さらに専門家らがこれに加わる。

これまで、大陸別や、個々の国をテーマとしたシノドスは行われてきたが、「中東のための特別シノドス」のように「地域」を対象としたシノドスは今回が初めてといえる。

また、今シノドスは、7つの典礼の教会が合同して行う、アラブ語を公式語に加えたという点も特徴とされる。

さらに、会議進行方法の合理化の試みと、中東地域の流動的な情勢の中での開催ということから、同シノドスは2週間という、これまでにない短い期間で行われる。







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