2010-07-01 18:52:58

聖ヨセフ・カファッソ神父をテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで30日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中の講話で教皇は、今年帰天150年を迎える聖ジュゼッペ(ヨセフ)・カファッソ神父の生涯を紹介された。

19世紀のイタリア・トリノはそれぞれの霊性をもって社会に奉仕する数多い聖人を生んだが、カファッソ神父はその中で非常に重要な役割を果たした一人であった。

1924年、ピオ11世が2人の偉大な司祭、アルスの主任司祭ヨハネ・マリア・ビアンネ神父の列聖と、カファッソ神父の列福を同時に承認したことを思い起こされながら、教皇は、ビアンネ神父のように小教区を受け持つことはなかったが、聖ヨハネ・ボスコをはじめとする多くの聖人司祭を育成し、他の聖人たちのように修道会の創立者ではないが、彼の存在自体が司祭の生活と聖性の学校となっていたカファッソ神父の生き方に光を当てられた。

カファッソ神父は、1811年、北イタリア・ピエモンテ州のカステルヌオーヴォ・ダスティに生まれた。この時代、同地方は様々な重い社会問題を抱えていたが、こうした背景の中で同じキリストへの愛によって互いに結ばれた聖人たちが最も貧しい人々への奉仕に献身することになる。

1833年、司祭に叙階されたカファッソ神父は、その4ヵ月後さらなる勉強のためにトリノの大神学院に入ったが、この神学院こそが彼の司祭人生の唯一、中心的な基盤となっていった。彼は教授として同院に残り、後に霊的指導の責任者、学長となった。

倫理神学のみならず、司祭生活そのものを学ぶこの神学院で、カファッソ神父は真の司牧者としての素質を持つ司祭たちと出会い、その才能を伸ばし、助けていった。

カファッソ神父は若い司祭たちを指導しながら、将来彼ら自身が他の司祭や修道者、信者らの育成者となり、その育成が効果的に連鎖していくことを目指した。

彼は司祭たちが、よい告解師、霊的指導者、人々の魂を救うことに大きな関心を払い、神の慈しみを伝える者となることを願った。彼の教えは抽象的ではなく、常に神の憐れみの生きた体験と、人間の心の深い洞察に基づくものであり、それは真の司祭生活の学校であった。

カファッソ神父の秘訣は「神の人であること」であり、「神のより大いなる栄光と魂の救済のため」に日常生活の小さな行為を捧げることであった。

また、霊的指導者カファッソ神父は、司祭たちを自分の形にはめずに、それぞれの特性と召命に応じて、その才能を開花させていくことに留意した。

カファッソ神父のもう一つの司祭職の特徴として、貧しい人々への関心、とりわけ刑務所の受刑者たちへの奉仕があった。彼は20年以上受刑者の司牧に携わり、彼らの硬化した心を和らげ、投げやりな彼らの良心に再び光を取り戻させた。死刑囚に最後まで深い愛をもって付き添った。

生涯のすべてを神と隣人のために捧げ尽くしたカファッソ神父は、1860年に帰天した。

このようにカファッソ神父の生涯を振り返られた教皇は、同神父をキリスト者の完徳の歩みの模範として示され、司祭たちにはゆるしの秘跡と霊的指導の重要性を忘れないよう、そしてすべての信者に貧しい人々への関心を持つよう願われた。







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