2010-06-30 18:32:02

聖ペトロ聖パウロ:教皇による夕べの祈り、新しい評議会創設を発表


使徒聖ペトロ・聖パウロの大祝日を翌日に控えた28日、教皇ベネディクト16世はローマの聖パウロ大聖堂(サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ)で、夕べの祈りをとり行われた。

ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂(サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ)は、ローマ4大バジリカの一つで、使徒聖パウロに捧げられたもの。「異邦人の使徒」として知られる聖パウロは精力的で広範な宣教活動の後、ローマで殉教。オスティア街道の近くに葬られ、その上に聖堂が建てられた。

大聖堂に到着された教皇は、中央祭壇下の聖パウロの墓前で祈りの時を持たれた。

続いて、使徒聖ペトロ・聖パウロの大祝日の第一晩課が、正教会のエキュメニカル総主教府の使節参加のもとに捧げられた。

教皇はこの集いで、教会の本来持つ「宣教的召命」をテーマに説教を行われた。

「神の福音のために選び出され、召されて使徒となった」(ローマ1.1)聖パウロの生涯と神の御国のための熱心な働きのすべてを、完全に福音への奉仕に捧げられたものとして振り返られた教皇は、パウロの内に生きておられるキリスト(ガラテヤ2.20)がすべての人のもとに行こうとされていたと話された。

また、教皇は、第2バチカン公会議の精神に沿った現代社会への福音宣教を熱く望んだパウロ6世、司牧訪問や新しい福音宣教の急務を説く教えを通して教会の本質である宣教性を活性化させたヨハネ・パウロ2世ら、前任の教皇らの宣教への積極的な取り組みを回想。

「教会は若く、未来に開かれている」というご自分の登位の際のメッセージを再び繰り返された教皇は、教会の持つ非常に大きな刷新力を強調。その刷新の力は教会自身の力ではなく、創造主、贖い主である神の霊、聖霊の息吹の中にある福音の力であると述べられた。

現代社会の挑戦は時に人間の力の及ばないものと思われ、教会の司牧者たちは「このすべての人々に対して私たちに何ができるだろうか」と、使徒たちと同じ無力感を感じているかもしれないが、イエスこそが神に信頼すれば不可能はないこと私たちにを示してくださったと教皇は話された。

世俗化社会という砂漠でも人間は神への渇きを持っていると述べながら、教皇は世界の中でもまだ福音宣教が始まったばかりの地、福音は伝わったがこれからまだそれを根付かせるべき地、長いキリスト教の伝統を持つが世俗化の普及が信仰の危機をもたらしている地と、現代の福音宣教にも様々な状況があることを指摘。

こうした中で教皇は、古くからキリスト教が伝わりながらも、世俗化の広がりの中で神の意味を喪失しつつある国々に刷新された福音宣教を推進するための教皇庁立評議会を創設
したいとの旨を発表された。







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