2010-06-24 18:28:24

教皇、ローマのドン・オリオーネ・センターとドミニコ会女子修道院を訪問


教皇ベネディクト16世は、24日、ローマ市内のドン・オリオーネ・センターを訪問された。

ローマ西北モンテ・マリオ地区にある同センターでは、聖ルイジ・オリオーネ神父(1872-1940)が創立したカトリック修道会・神の御摂理の小さな業(通称:オリオーネ会)によって障害者のリハビリテーション、青少年の育成や職業訓練などが行われている。

教皇の訪問は、同センターの敷地内の塔にそびえる聖母像「サルス・ポプリ・ロマーニ(ローマ市民の救い)」の修復・再設置を機会に行われた。

小高いモンテ・マリオ地区からローマを見守るように立つこの聖母像には、ローマの歴史の重要な一端が反映されている。

第2次世界大戦下の空爆が激しさを増す1944年、市民の苦悩と不安がつのる中で、オリオーネ会の会員や協力者らが中心となって聖母に特別な祈りを捧げたいとの提案がなされた。この提案は教会関係者や市民の広い賛同を得て、集まった署名は10万にも及んだ。

当時の教皇ピオ12世は人々の願いを心に留め、ローマ市民に聖母に祈るよう呼びかけを行い、1944年6月4日には、ローマの神の愛の聖母巡礼聖堂の聖母画(当時は爆撃を恐れ聖イグナチオ教会に保管されていた)の前で、教皇の名の下にジッラ・ジェルミニ師によって祈りが捧げられた。この夜、ドイツ軍は武力を行使することなく、ローマから引きあげた。

ローマ解放後、オリオーネ会員らはモンテ・マリオで戦争による負傷者や孤児たちへの奉仕に当たった。そして、1953年、聖母に感謝するために同地に聖母像が建立された。

市民から愛されるこの聖母像は、昨年10月の暴風雨で片腕を破損したが、このたび修復を終え、再びもとの塔に設置された。

聖母像を祝別された教皇は、戦渦のローマの激動の歴史を思い起こされると共に、今日においても聖母への賛美と祈りを新たにするよう皆を招かれた。そして、すべてのローマ市民を聖母の保護に託して祈られた。

この後、教皇は同センターからほど近い、ドミニコ会女子観想修道院を訪問、修道女らと祈りを共にされた。

「沈黙と隠れた生活における皆さんの奉献は、各自個人の聖化と清めだけでなく、教会全体の使徒職の遂行のため、また教会が主の御前に清く聖なるものであるために、豊かな実りをもたらすでしょう」と教皇は述べ、祈りの力の大きさと恵みを日々の中で体験して欲しいと修道女らに願われた。







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