2010-06-07 19:05:50

キプロス:教皇、マロン典礼司教座聖堂訪問、空港で送別式


教皇ベネディクト16世は、キプロス司牧訪問最終日、6日午後、首都ニコシアでマロン典礼の共同体との集いをもたれた。

キプロスのカトリック・マロン典礼の司教座聖堂、恩寵の聖母教会には300人の信者が集い、東方の聖歌を合唱し教皇を迎えた。

マロン典礼はシリアに起源を持つ。キプロスにおいてカトリック・マロン典礼は7世紀より独立した共同体として存在し、北部を中心に成長していった。1974年以降、キプロス島が南北分裂状態に入ってからは状況が一変し、北部の信者の流出が続いた。現在はキプロス全体で信者数およそ9千人の小さな共同体であるが、典礼や言語に見られるアイデンティティーを守り、未来を担う青年たちの育成などに熱心に取り組んでいる。

キプロスのマロン典礼共同体の長い歴史と豊かな伝統を思い起こされた教皇は、様々な困難の中で「火による精錬」(1ペトロ1,7)にあっても父祖からの信仰を貴重な精神遺産として守り続けて欲しいと願われた。

すべての信者は世界中のキリスト者たちと共に大きな「霊的な家」(1ペトロ2,5)、すなわちキリストの神秘体を構成していると教皇は強調。様々な言語で捧げられる典礼が神の民のただ一つの声となる、その互いの永遠の交わりの中でキリストの福音を世界に告げていこうと、信者らを励まされた。

こうして3日間に渡るキプロス訪問を終えられた教皇は、ラルナカ空港での送別式を経て、ローマに同日夜戻られた。







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