2010-04-29 19:21:28

神の愛の証し人、聖ムリアルド神父、聖コットレンゴ神父を紹介、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで28日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中の講話で、教皇は現在記念されている「司祭年」の6月の閉幕を前に、神への完全な献身を生き、貧しい人たちへの奉仕を通して愛を証しした2人の司祭、聖レオナルド・ムリアルド神父と聖ジュゼッペ・ベネデット・コットレンゴ神父の生涯を振り返られた。

今年帰天100周年と列聖40周年が記念される聖レオナルド・ムリアルドは、1828年、北イタリア・トリノに生まれ、年少期から修道院系の寄宿学校で学んだ。青年時代に深い精神的危機に陥ったが、ある時、総告解の体験を通して神の限りない慈しみを再発見した。17歳で司祭になる望みを固め、1851年に叙階された。この頃、トリノで青少年司牧に取り組んでいたドン・ボスコ(聖ヨハネ・ボスコ1815-1888)に新しいオラトリオの指導を任される。ここでムリアルド神父は最も貧しい人々の様々な問題に触れ、深い社会的・教育的視点を持つようになった。1873年、聖ヨセフ修道会を創立し、青少年、特に最も貧しく、見捨てられた若者たちの育成に当たり、1900年に帰天するまで愛の業を広げ続けた。

教皇はムリアルド神父の霊性の中心は神の慈しみの愛に対する確信であったと述べ、善良で忍耐深く寛大な父である神がその無限の慈しみを赦しと共に見せてくださるということは、ムリアルド神父自身が主との生きた出会いを通して体験したことであったと述べられた。

自分は慈しみ深い神から喜ばれる存在であると考えていたムリアルド神父は、それゆえに主への愛と感謝に満ち、自分の限界を素直に受け入れ、悔い改めと回心への熱意を保ちながら、司祭職を神からの無償の贈り物として、自覚と喜びと愛をもって生きることができたと話された。

「世の救い主、イエス・キリストの偉大な贖いの業を続けること」すなわち「魂を救うこと」に司祭の使命を見出していたムリアルド神父は、自分と他の司祭たちに、自分が受けた秘跡にふさわしく生きる責任を常に思い起こさせていたと教皇は述べ、「神の愛と、神への愛」を力に聖性の道を歩んだ同聖人を思い起こされた。

教皇はまた、ムリアルド神父と同じ愛の精神を生きた聖ジュゼッペ・ベネデット・コットレンゴ神父を紹介された。教皇は来る5月2日のトリノ司牧訪問でコットレンゴ神父の墓を訪れ、同聖人が創立した「神の御摂理の小さな家」の関係者とお会いになる。

コットレンゴ神父は、1786年、北イタリア・クネオ県ブラに生まれた。彼が育った時代は、ナポレオンのイタリア進軍と、それによって引き起こされた宗教・社会上の混乱の時代であった。幼い頃から貧しい人々に大きな関心を持ち、司祭となってからは優れた告解師・説教師として知られた。32歳で聖堂参事会員となるが、1827年に多くの子を抱えた若い母親の死に立会ったことをきっかけに、最も貧しい人々のために生涯を捧げるという使命を見出した。

コットレンゴ神父は多くの協力者たちと共にトリノの郊外に共同体を作り、それは一つの小さな町のように広がっていった。彼が創立した「神の御摂理の小さな家」では、皆が家族のようにそれぞれの役割分担をしながら、病者も貧者も協力者たちも生活の重みを共に分かち合った。コットレンゴ神父はこの共同体=町に祈りを送り出す「心臓」として、観想修道院も設立。1842年にその生涯を閉じた。

教皇は、神との交わり、神の愛の中に常に力を見出しながら貧しい人々のために献身した2人の司祭の模範が、多くの司祭たちを照らし助けるようにと祈られた。







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