2010-04-21 18:27:21

マルタ司牧訪問を報告、教皇一般謁見、長崎の被爆マリア像を祝福


教皇ベネディクト16世は、バチカンで21日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中の講話で、教皇は先日のマルタ共和国司牧訪問を振り返られた。

教皇は、使徒聖パウロのマルタ島における難破・上陸1950周年を機会に行われたこの訪問の目的は、聖パウロ以来同国に続くキリスト教の伝統を確認し、その信仰をさらに励ますことであったと説明された。

マルタには一年の日数におよぶ365もの教会があるといわれるが、これは約2千年にわたるマルタのキリスト教の歴史が人々の生活文化といかに結びついているかを物語っていると教皇は話された。

そして、特にラバトの「聖パウロのグロッタ」への巡礼では、パウロのマルタへの漂着・滞在以来この地にキリスト教共同体が生まれ、世紀を経た今日、社会の複雑な諸相の中でもその福音の精神が変わらず受け継がれているということに、神の摂理を思ったと述べられた。

多くの信者が参加したフロリアーナのミサでは、教皇は同じ信仰を共にする「一つの大きな家族」としての意味を感じ取ることができたと喜びを表された。

教皇は、このミサの後に聖職者による未成年虐待の被害者らとお会いになり、苦しみを分かち合い、共に祈り、教会の対応を約束されたことにも言及された。

マルタは島という特徴を持ちながらも、世界から孤立することなく他国に向けて開かれ、マルタ十字で知られるその国旗が象徴するように、移民問題への取り組みをはじめ、平和や連帯、愛と和解というキリスト教的メッセージを担っていることを教皇は強調。

若い時に復活のイエスとの出会いによって内面から変えられたパウロのように、新しい世代の人々がイエス・キリストを通して与えられた神の愛の素晴らしさ、人生の嵐や漂流よりも大きい神の愛の計画を知り、勇気を持って信仰の道を進むことができるようにと祈られた。

この謁見には、被爆65年を機に企画された日本の平和巡礼団が参加した。団長の高見三明・長崎大司教は浦上教会の被爆マリア像を携え教皇と会見。教皇はマリア像を祝福された。

被爆マリア像はこの後、スペイン市民戦争時に無差別空爆の犠牲となったスペインのゲルニカ、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が行われる米ニューヨークで展示される。







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