アイルランドのカトリック信者への教皇の司牧的書簡

教皇ベネディクト16世の「アイルランドのカトリック信者への使徒的書簡」が発表された。

この使徒的書簡は、アイルランドの教会で起きた聖職者の未成年への虐待問題に対する教皇の深い憂慮から記されたもの。教皇は19日、家族と普遍の教会の保護者、聖ヨセフの祝日に同書簡に署名され、翌20日に発表された。

「アイルランドの教会の親愛なる兄弟姉妹の皆さん、普遍の教会の司牧者として、大きな憂慮をもって皆さんにこれを記します」と始まる書簡で、教皇は、アイルランドの司祭・修道者らによる子どもや若者たちへの性的虐待と、この問題への司教や修道会の責任者らが取った対応に深い苦しみを表明している。

教皇は全体で14章からなる書簡を通して、虐待の被害にあった人々とその家族たちの、信頼を裏切られ、尊厳を傷つけられた苦しみに寄り添い、祈りと共にこれらの人々の内面の平和を心から願っておられる。一方、未成年を虐待した司祭と修道者に対して、厳しく罪を指摘し、神と司法の前で責任を取るように強く命じている。

さらに教皇は「両親たちに」「アイルランドの子どもたちと青年たちへ」「司教たちに」「アイルランドのすべての信者たちへ」とそれぞれに真摯な言葉を記すと共に、この問題に対する具体的な対応を提案しておられる。