2010-03-18 18:01:04

「永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか」第25回世界青年の日・教皇メッセージ


教皇ベネディクト16世は、今年3月28日に記念される第25回世界青年の日に向けたメッセージを発表された。

カトリック教会の世界青年の日(教区レベル)は、毎年「受難の主日(枝の主日)」と呼ばれる復活祭直前の日曜日に行われる。

メッセージで教皇は、今年は世界青年の日が1985年、国連の国際青年年を機にヨハネ・パウロ2世によって創設されてから25周年にあたると共に、来年2011年マドリッドで開催されるワールドユースデー大会へのステップとなる年であることを指摘。

この機会に教皇は、ヨハネ・パウロ2世が1985年、若者たちへ宛てた使徒的書簡中でも取り上げた、ある若者がイエスに投げかけた問い「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか」(マルコ10,17)をテーマに考察された。

マルコ福音書10章のエピソードで、旅に出ようとしていたキリストは、走り寄ってきた若者のために足を止めて、その熱心な問いに答えられた。

イエスとこの青年とのこの対話において、教皇はイエスの若者たちの将来や希望に対する大きな関心、若者一人ひとりと向き合い、対話を望まれるその誠意に注目された。

また、教皇は、福音書記者マルコの「イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた」という記述にも注意を払われ、この主の眼差しの中にこそキリスト教的体験の中心があると強調されている。

福音書の中のこの若者と、現代の若者には、同じ状況が見て取れると教皇は指摘。「皆さんも多くの才能やエネルギー、夢、希望という大きな財産を持っている。皆さんの若さというものも、自分自身のためだけでなく、他の人々や教会、世界のために大きな豊かさをもたらすものです」と記されている。

「自分は何をすればよいのか」と問いかけた若者のように、現代の若者たちも不安の中で自分の真の存在意義や自分の人生に何が足りないのかを考える時、それを問うことをためらわず、一人ひとりに愛のご計画を用意しておられる神に耳を傾けるように教皇は勧められた。

「わたしに従いなさい」というイエスの若者に対する言葉に教皇は、キリスト教的召命は主から示された愛に自分も愛をもって答えることでしか実現されないと述べ、主の招きを受け入れ、主に従った多くの聖人たちの存在を思い起こされ、若者たちにも喜びのうちに主に従うようにと呼びかけられている。

多くの財産を持っていた青年は、すべてを売り払い、貧しい人々に施して自分に従うようにとのイエスの言葉に気を落とし、悲しみながら立ち去ったと、マルコ福音書は語っている。この青年の悲しみは、自分がイエスに従い、正しい選択をする勇気を持てなかった時に誰もが心に感じる悲しみであると教皇は述べ、慈しみの眼差しを注ぎ続け、あなたがたを呼び続けるイエスに答えるには、決して遅すぎると言うことはないと記されている。

教皇は、特に現在行われている司祭年にあたり、主の呼びかけに注意深く耳を傾け、召命の恵みに寛大に応えるよう、司祭職を考える若者たちを励ましておられる。
 
「永遠の命を受け継ぐには」と尋ねた若者のように、人生の計画を大きく、高く、深いものに向けることの大切さを示されながら、神は皆さんの人生の選択にきっと大きな意味を与えてくださるでしょうと教皇は述べている。

そして、教皇は若者たちが多くの困難の中でも夢をあきらめず、心に兄弟愛と正義と平和への熱望を育み、信仰に強められ、勇気をもって家庭や職場での歩みを続けていくことを祈っておられる。







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