2010-02-25 17:09:47

イラクでキリスト教徒殺害続く:教皇「宗教の自由の権利尊重を」


四旬節の黙想期間中にある教皇ベネディクト16世は、イラク・モスル地方におけるキリスト者への暴力行為に深く心を痛められ、同国の平和と、試練に置かれたキリスト教共同体のために祈られている。

モスル地方のキリスト教徒に対する迫害はとどまることなく、23日には、シロ・カトリックに属する家族3人(父と2人の子息)が自宅を襲った武装集団に殺害された。母親は無事だった。

一家の3番目の子息は司祭で、別の家に住んでいたために難を逃れたが、2年前に拉致され、解放されるという事件に遭っている。この事件以外に、同地域ではこの2週間に5人のキリスト教徒が殺害されている。

教皇はバチカン国務長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿を通してイラクのヌーリ・マリキ首相に先月おくられた書簡で、2008年7月の同首相との会談で少数派をも含めた民族・宗教間の協力対話、宗教の自由の権利の尊重が確認されたことを思い起こされている。そして、イスラム教、キリスト教を問わずイラク国内の暴力や攻撃の犠牲となったすべての人々のために祈りながら、暴力の終焉と宗教施設等の安全について願われている。

モスルのシロ・カトリック典礼のジョルジュス・カムッサ大司教は、今回初めてキリスト教徒が自宅で襲われるまでになったことについて、3月上旬に控えている選挙の影響や政治的理由というよりは、宗教的不寛容が原因と述べた。

また、暴力と迫害によって現在多くのキリスト教徒が自分の土地を離れようとしているが、この悲劇的な状況に対し、現地のカトリックと正教会は次の日曜日を共に祈りの日とするほか、様々な方法で政府にメッセージを伝えていく方針であることを明らかにした。







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